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身体化するテクノロジー、サイボーグ化する身体

テクノロジーで高速化するパラ100m走

義足の進化と選手の技量向上がシンクロ、相乗効果を生む

2016/09/08 19:00

遠藤 謙=Xiborg 代表取締役、ソニーコンピュータサイエンス研究所 アソシエイトリサーチャー

 先月リオデジャネイロオリンピックが閉会してから、いつものように数週間遅れの現地時間9月7日(日本時間の8日朝)からパラリンピックが始まった。パラリンピックが始まる上で、個人的に義足を開発していることもあり、義足開発の観点からパラリンピックの魅力を考えてみた。

 パラ陸上競技は、障害の種類や重度によってクラスが分けられている*1

*1 パラ陸上競技のクラス分けについての詳細は、こちらのサイトを参照

 義足を履いて競技するクラスは「T42~44」という区分である。現在のところ「T43」(両足下腿切断、または機能障害)と「T44」(片足下腿切断、または機能障害)は同じレースで競うことになっている。

 現在、競技用義足を開発している企業は世界中でも数社しかなく、競技者はその中で自分の身体や走り方に合った義足を選んでレースに挑む。モーターレース「F1」のコンストラクターズポイントのように、自社の義足を履いた選手がどれだけ決勝に残るかをアピールする義足メーカーもある。

 義足メーカーは、アイスランドのÖssur社と、パラリンピックのスポンサーであるドイツのOttobock社が有名だ。例えば、前回のロンドンパラリンピックではT43/44の100m走予選に20人(うち義足ユーザーは18人)のアスリートが参加し、履いていた義足のメーカーはÖssur社が11選手、Ottobock社が6選手、その他が1選手だった。

ロンドンパラリンピック「T43/44男子100m走」予選第1組
選手名 メーカー名
Jonnie Peacock Össur社
Jerome Singleton Össur社
Alan Fonteles Cardoso Oliveira Össur社
Marcio Fernandes Ottobock社
David Behre Ottobock社
Reccardo Scendoni Össur社
Jia Tianlei Össur社
同予選第2組
選手名 メーカー名
Oscar Pistorius(T43) Össur社
Blake Leeper(T43) Össur社
Liu Zhiming N/A
Markus Rehm Ottobock社
Jean-Baptiste Alaize Ottobock社
Ivan Prokopyev(T43) Ottobock社
Robert Mayer Össur社
同予選第3組
選手名 メーカー名
Arnu Fourie Össur社
Richard Browne Freedom Innovations社
Alister McQueen Ottobock社
Christoph Bausch Össur社
Andre Oliveira N/A
Jun Haruta Össur社

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