こんにちは。SIPropの今村 謙之です。SIPropは「楽しいものを作る」コンセプトで、エレキやITの技術を使った様々なものづくりを楽しんだり、世界各地の「Maker Faire」などのイベントに出展したりしている技術者のグループです。前回に引き続き、10月1日に開かれた自作探査機(缶サット)の競技会「スペースプローブコンテスト2016」のレポートをお届けします。今回はいよいよ参加5チームの缶サットをご紹介します。 (前回はこちら

絶対王者の貫禄:琴似工業高校チーム

写真●琴似工業高校チーム
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 まず、最初に紹介するのが琴似工業高校チームです。缶サット甲子園の常連校で10回以上の出場経験があり、代々先輩方から受け継いできたノウハウを持っています。まさに缶サットのスタンダードであり、缶サットの醍醐味のような探査機を持ち込んできました。

写真●機能ごとにレイヤー化されている構造が特徴
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    ▼ミッション
  • パラフォイルによる飛行制御
  • データ受信とリアルタイムグラフ表示/スペースプローブの姿勢3D表示
  • きれいな動画撮影

 さすがは缶サット甲子園の常連校という感じで、缶サットのお手本というべき設計でした。「mbed」ベースの制御システムがレイヤー構造で組まれ、パラフォイル(パラシュート)はちゃんとキャリアに収納されて射出を検知して展開される機構を組み込んで来ています。

写真●射出を検知してパラフォイル(パラシュート)を展開する機構
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 しかしなんと、本番ではこのキャリアの展開機構のゴムの巻き方を間違えるというミスを犯し、射出機構が動かずに大失敗となってしまいました。これこそが宇宙開発特有である「一発物の怖さ」です。当然、常連校であるため、打ち上げてしまったら、手直しが一切できない「一発物の怖さ」を理解していますので、入念なテストをしていたそうです。それでも、失敗してしまうのです。しかし、これこそ、Maker Faireなどの展示会では味わえないこの手のものづくりの醍醐味といえるでしょう。

写真●失敗の原因を検討する琴似工業高校チーム
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