田中 栄=アクアビット 代表取締役 チーフ・ビジネスプランナー
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 「サステイナビリティ」という言葉をごく普通に耳にする時代になりました。ご存じの通り、日本語では「持続可能性」と訳されています。日本ではこれを「環境問題の一部」や「CSR(企業の社会的責任)」と捉えている企業がいまだに多いと思います。

 「サステイナビリティ」とは何か。一言で言えば、モノが「足りない時代」が本格的に始まるということ。そしてあらゆる分野で「循環」や「持続」が求められるようになる、ということなのです。

 日本にいると人口減少に目が向きがちですが、世界では人口の爆発的な増加が続いています。

 2016年現在、世界の人口は74億人。この時大きなニュースとなったことを覚えている人は少なくないと思います。ちなみに人口が50億人の大台を突破したのはいつか分かりますか? それは1987年で、バブル崩壊の少し前のことです。さらにその半分の25億人だったのは1950年。いわゆる「団塊の世代」が生まれた頃であり、それほど遠い昔のことではありません。

 人類の歴史は約500万年と言われています。それほど長い年月をかけてようやく25億人まで増えた人口が、100年もしない間に、人類の歴史で言えば、ほんの“一瞬”で3倍に増えているのです。世界の人口は今後も増加し続け、国際連合は2050年には97億人に達すると予測しています。人が増えれば、当然より多くの食料や資源、エネルギーが必要になります。

 経済成長による影響も見逃せません。例えば食べ物について言えば、生活が豊かになれば、より美味しいモノ=「肉」を求めるのが一般的です。肉を生産するためには、餌としてより多くの穀物が必要になります。例えば、鶏肉を1kg作るのに要する穀物は4kgです。豚肉ならそれが7kg、牛肉なら実に11kgと、「ぜいたく」になるほど、より多くの農産物が求められます。人口増加のさらにその何倍かのペースで農作物を増産しなければならないのです。