大坪 私なんかはまだ職人的な考え方はひよっこですが、とにかく好奇心がありすぎるというのはそうですね。

野々上 ものづくりだけではなく、ソフトも本当に好きですし。

大坪 新しいものが好きなので、ビットコインやブロックチェーンも面白いと思って、本格的に調べ始めたのが一昨年ぐらいからですね。だいたい夏休みに“宿題”として自分でやってみようということで手を出すんです。ビットコインのマイニング(採掘)も、自分でできるのかなと。

 AIも自分でやりたくなっちゃうんですよね。Tensorflowを使えばだいたい自分でできるから、開発環境を自分のMacBookに入れて…。

 Tensorflow 米Google社が開発し、オープンソースとして公開している、機械学習のライブラリ。

野々上 やっぱり町工場の人ではないですね(笑)。

大坪 でも、難しいかというと、実はインターネットにやり方が全部ありますから。あとは調べるだけです。私はラッキーなことに、大学4年生の研究で3Dプリンターのドライバーを開発したことがあって、C++で駆動ソフトを書いていたので。

野々上 ハードだけじゃなくてソフトもお手の物なんですね。

大坪 今の商品としてのプログラムについては知識がないので、書けといわれても難しいですが、一応理論はなんとなく分かる。言語が変わってもこんなもんだろうと。要するに、ハードもソフトも薄く広くやっているわけです。

野々上 なかなかそういう人はいないですよ。

――ある意味、大手メーカーが一番欲しい人材像ではないかと。

大坪 でも、全部が中途半端ですよ。プログラマーとしては使い物にならないでしょうし。ただ、プログラマーを使うときにその苦労が分かるというか…。

――でも、野々上さんが本で書いていたIoTリーダーとしては理想的な人ですよね。

野々上 そうですね、理想的です。やっぱり、好奇心が旺盛というのが大事ですね。その方が、新しい流行を取り入れながら、伝統的なものづくりを進化させているというのが本当に素晴らしいと思います。これからも大坪さんと由紀精密の動きに注目していきたいと思います。

(写真:加藤 康)

(この項、終わり)