最近、何か分からないことがあればネットで検索すれば何でも分かる、と言う人が増えています。IoT(Internet of Things)の時代、いつでもどこでも、検索すれば何でも分かる、と仰るのも分かります。ですが、本当にネットで検索すれば何でも分かるのでしょうか。開発をしている者として、この問題はかなり重要なことなのです。


 開発とは言うまでもなく、顧客のニーズに対応することです。お客様が欲しい商品やサービスをつくってお届けすることが開発なのですが、実は、そこが企業にとって一番難しいことであるといいましょうか。最大の課題は、お客様は何が欲しいのか、それが分からないことです。

 そこで、マーケティングの専門家という方々が登場するのですが、もしもネットでニーズが分かるのなら、専門家は無用です。ネットで「あの顧客が必要なものは何?」と入力してすぐに「お客様はこれが欲しいと言っています」と回答が出てきたら世話はありません。

 第一、多くの顧客は、自らの欲しい商品やサービスが明確になっていないのです。だって、そうではありませんか。自らが、「私はこのような商品が欲しい」とか「うちはこんなサービスがあればうれしい」と、あちこちに喧伝(けんでん。盛んに言い広めること)して探し回っている会社があるでしょうか。

 もしもそのような会社があるのなら、それは他の意図があるに違いありません。多くの顧客はもっと良いものはないだろうか、あるいは、もっと安いものを探しているかのどちらかで、まだ誰も見たことのない新商品やサービスを知っているはずはないのです。

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