「日本の製造業はこのままではヤバイ」。ビジネスパーソンなら誰しも感じていることではないでしょうか。国内では少子高齢化や地方衰退の影響を受ける。国外からは中国をはじめとするアジア各国の追い上げを受ける。まさに内憂外患です。この状況を打破するには戦後の焼け野原から高度成長を成し遂げた初心に戻り、テクノロジーの先端を爆走するシリコンバレーに食らいついていくことが必要だと説くのが、桑島浩彰氏です。

 同氏は、現在、企業のマッチングサービスを提供するリンカーズにおいて専務執行役を務めると同時に、Linkers International Corporation 取締役社長として米国事業を担当しています。三菱商事出身で、ハーバード大学ビジネススクール留学後、ドリームインキュベータで日系企業の戦略コンサルティングを務め、青山社中CFOとして活躍するなど、米国と日本を深層からを知る立場にありました。

 本コラムでは地方のものづくり企業とシリコンバレーを結び、日本を再生したいとの熱い思いを抱く桑島氏が、日米間の現状に詳しい方々と共に、日本の製造業が抱える問題点とその解決策を対談を通して探ります。第1回は、米国での留学・研究や仕事上での経験を通じて、桑島氏自身が感じた日米の製造業の違いを紹介します。

リンカーズ 専務執行役員の桑島 浩彰氏(写真:加藤 康)。
[画像のクリックで拡大表示]

 幸いなことに、これまで商社マンとして、留学生として、そして経営コンサルタントとして、日本の外から日本を見つめる機会をたくさん得てきました。今は、従業員30名前後のリンカーズというベンチャー企業にマネジメントとして参画し、ここ半年ほどは、米国事業立ち上げのためシリコンバレーとシカゴと行き来しています。そこで、現地でのイノベーションや起業家のエコシステムを目の当たりにし、やっぱり日本は米国についてゆく、あるいは一緒にやらないと日本の展望は開けないと確信しています。

 特にシリコンバレーとは本気で付き合わないと、日本の再生は絶対にありえない。いくら日本国内で地方創生だなんだとか言ったところで、国内だけでいくらやろうとしてもそもそもの需要もイノベーションのレベルにも限界がある。日本はもう20年ほど、経済成長していない。人口も減っていくし、力強い産業のけん引役が製造業の次に出ていない。極端に言えば、今後20~30年の世界中のイノベーションが生まれる場所はやはりシリコンバレーしかないでしょう。日本国内の大企業も中小企業も、もしドイツのように引き続きものづくりで食べていこうとするなら、ますますシリコンバレーと直接つながっていかなければならない。その方向を今こそ真剣に模索しなければならないと感じています。

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!