増収減益は減収減益より悪い

 さて、この「増収減益」ですが、経営者であればかなり悪い状態だと考えていただきたい事象です。もちろん赤字よりはマシですが、減収減益よりも増収減益の方が状態は悪いと言えます。

 なぜ増収減益が悪いのかと言えば、理由は2つあります。

理由1:時間がなくなるから(=忙しい)
 増収効果により、社員が必ず忙しくなります。目の前の業務をこなさなければならない状態ですから、それは必然です。ところが、忙しくなったら、新しいテーマを実施する時間がなくなります。新しいテーマにこそ増益のチャンスはあるのですが、そうした時間にすらリソースを割けなくなってしまうのです。

理由2 収益にならないから(=儲からない)
 もう1つの理由は、儲からないことです。社員がどれほど一生懸命に仕事をしても利益が残らない。儲からなければ、研究開発に投資もできません。研究開発に投資ができないということは、増益のチャンスを逸してしまうということです。

 増収減益はなぜ起こるのでしょうか。ほとんどの場合、それは「顧客要望対応」を行うからです。「要望があるからやる。やるから売れる」という循環が増益につながっているうちは良いのですが、要望を聞いても収益につながらない仕組みで動いていれば減益となります。

 顧客要望への対応というのは、例えば、特注品への対応や見積もり依頼、設計支援、技術支援などなど、業務の種類を上げればきりがありません。他にも、突き詰めると顧客の要望に対応しているだけで増益には何の役にも立っていない業務はいくらでもあるのです。