伊本貴士=メディアスケッチ 代表取締役 兼 コーデセブン CTO、サートプロ IoT技術講師、IoT検定制度委員会メンバー
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 2016年11月6日、痛ましい事故が起きました。「東京デザインウィーク」というアートイベントで火災による死亡事故が発生し、小さな子供(5歳の男の子)が犠牲となってしまいました。亡くなったお子さんのご冥福をお祈りいたします。私はこのイベントの関係者ではありませんが、未来ある子供が犠牲になったことは本当に残念でなりません。決して起きてはならないことが起きてしまいました。この犠牲を決して無駄にしてはなりません。

 出火原因などは今後の捜査によって明らかになると思いますが、出火したジャングルジムの展示品には木屑が置かれていました。LED電球や白熱電球を使っていたことについて多くの批判の声が聞こえてきます。もちろん、この展示品の製作者と管理する側には過失とはいえ責任があると思います。ただ、単に個人の責任だけに焦点を当てることに私は違和感を覚えます。その理由は、もしも電気や熱に関する知識不足が原因で事故が起こったとすると、教育にもその原因の一端があるのではないかと思うからです。「その程度の知識は常識だ」と思う人もいるかもしれません。でも、「常識を教えることこそが教育だ」と私は思います。

電気と熱について

 現時点において原因は白熱電球ではないかと言われていますが、元々はLED電球だけを使う予定だったようです。電子工作をしている人にとっては常識ですが、電気と熱は切っても切り離せないものです。どんな回路にも抵抗やレギュレーターなどの素子があり、それらの素子があれば必ず熱は発生します。

 LED電球を採用しても、LEDを光らせるにはコンセントの電気をそのまま利用することはできません。電子回路を使ってLEDにとって適切な電気に変換する必要があるのです。従って、LED電球でも発熱します。実際に、光っているLED電球を取り外すと熱い時があります。つまりLED電球であっても可燃物を近くに置くのは危険なのです。たとえそれほど多くの熱が出なかったとしても、野外に電子機器を置くのは危険です。急な雨や高い湿度によってショートが発生し、火花を放つことがあるからです。そのため、取り扱いには十分な注意が必要です。