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渡辺史敏の「米スポーツ産業ヘッドライン」

NFLは年23億ドル収益増へ、賭博に飲み込まれる米プロスポーツ界

2019/01/17 05:00

渡辺 史敏=ジャーナリスト

 米国のプロスポーツ界で、スポーツ賭博関連企業との提携がラッシュ状態となっている。事の発端は、2018年5月に連邦最高裁判所がスポーツを対象とした賭博の解禁を認める判断を下したことだ。米国では1992年に連邦法である「プロ・アマスポーツ保護法(PASPA)」が制定され、その時点でスポーツ賭博を法整備していたネバダ州、モンタナ州など4州を除く全ての州では違法とされた。こうして長きに渡って、カジノ産業が盛んなネバダ州でのみスポーツ賭博が行われてきたのである。これが事実上、全州でスポーツ賭博を行うことが可能になったのだ。

NHLがMGMと公式パートナー契約を結んだことを発表した10月29日(日本時間、米国時間は28日)のリリース
(図:NHLのプレスリリース)
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 これまでは、非合法のスポーツ賭博市場が年間1500億ドル規模で存在してきたとされている。合法化によってそれを超える規模の市場創生が、財政難に悩むニュージャージー州など州政府から期待されている。プロスポーツリーグもそれは同じで、ゲーム産業団体アメリカン・ゲーミング・アソシエーションは、スポーツ賭博の解禁でプロアメリカンフットボールNFLは年23億ドル、プロアイスホッケーNHLは年2億1600万ドルの収益増につながると予測しているほどだ。