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渡辺史敏の「米スポーツ産業ヘッドライン」

民間で45億ドル投資、28年ロス五輪会場の新スタジアム構想

2019/01/09 05:00

渡辺 史敏=ジャーナリスト

 米カリフォルニア州ロサンゼルスの南西に位置するロサンゼルス国際空港からわずか6kmのイングルウッドで、現在スタジアムを中核とした街づくりが進められている。「ハリウッドパーク」と呼ばれるこのプロジェクトを進めているのは、プロアメリカンフットボールNFLのロサンゼルス・ラムズのオーナーである、スタン・クロエンケ氏が率いるザ・クロエンケ・グループだ。同氏はサッカーのイングランド・プレミアリーグに属するアーセナルの筆頭株主でもある。

建設中の「ロサンゼルススタジアム」の完成想像図
(図:Hollywood Land Park Company)
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 事の発端は、2014年にクロエンケ氏が競馬場の跡地だった同地を買収したことである。ロサンゼルスは全米第2の大都市であるにも関わらず、1995年にラムズがセントルイスに、レイダースがカリフォルニア州オークランドに移転して以降、NFL不在の都市となっていた。2010年にラムズのオーナーとなったクロエンケ氏はセントルイスでは思うような収益を上げることができないと判断し、ロサンゼルスへの帰還を考えたのだ。その承認を得るためと、将来の収益源として新スタジアムの建設構想をぶち上げたのである。

 一方、レイダースもオークランドで入場者数の低迷に悩んだ末にロサンゼルス帰還を望み、ロサンゼルスの南にあるサンディエゴでやはり収益低迷に悩んでいたチャージャーズと共同でロサンゼルス近郊のカーソンに新スタジアムを建設して移転する計画を2015年に発表した。

 これら2グループ、3チームによるロサンゼルス移転活動がNFLに対して繰り広げられたのだが、結局、2016年1月のオーナー会議でラムズの移転とスタジアムの建設が票決されたのである。さらにその直後には、チャージャーズが建設費2億ドルを負担する代わりに年1ドルの使用料で新スタジアムを共用することで合意し、ロサンゼルス移転が実現した。一方レイダースはネバダ州ラスベガスへの移転に方針転換し、了承されている。