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渡辺史敏の「米スポーツ産業ヘッドライン」

総合格闘技や投てき競技も、トラッキングが“標準ツール”に

2018/12/03 05:00

渡辺 史敏=ジャーナリスト

総合格闘技UFCが分析技術導入

 一方、格闘技の分野に分析技術を導入したのが総合格闘技のUFCである。台湾のスポーツ用品メーカーCSG Taiwanと、Bluetooth対応のスマートデバイス「UFC Force Tracker」とそのアプリ「Xforce Tracker」の開発・販売でライセンス契約を結んだのだ。

UFCと台湾CSG Taiwanが開発した「UFC Force Tracker」。吊り下げ型や自立型のパンチングバッグに装着してパンチやキックをすると、スピードやパワー、耐久力(回数)が測定される
(図:Tri-Great USA CORP)
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 UFC Force Trackerを吊り下げ型や自立型のパンチングバッグに装着し、パンチやキックをすると、スピードやパワー、耐久力(回数)が測定され、アプリに送られる仕組みになっている。インターネットにも接続され、ランキングなども表示される。

 UFCというと高レベルのプロ選手というイメージが強いが、この機器とアプリについてはむしろ一般人のフィットネスを目的としたワークアウトを主なターゲットにしているのが特徴だ。ただ、総合格闘技向けにより高度なデータ情報を実装する計画もあるという。それが実現すれば、ファン向けに放送などでデータ表示するといった演出につながるかもしれない。

 これまで3次元ドップラーレーダーを利用し、ゴルフや野球の分析を行ってきた米FlightScopeが新たに取り組んだのが陸上の投てき競技である。「FlightScope Athletics」と呼ぶ分析システムは軽量でポータブルな3次元追跡レーダーによるハードウエアと先進的な弾道解析ソフトウエアを組み合わせたものだ。投げられたオブジェクトが着陸するまでを追跡できる。

FlightScopeは投てき競技向けの分析システム「FlightScope Athletics」を開発した。投入されたオブジェクトが着陸するまでを追跡できる
(図:FlightScope)
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 やり投げやハンマー投げなどの初速や頂点高度、飛行時間、リリース角度を測定することが可能だ。投てきを行った後、選手はビデオ解析とパフォーマンスフィードバックを同期させたダッシュボードを通じて、投てきデータをリアルタイムに観察することができる。さらにデータのグループ化機能により、そのトレーニングセッションを通じてどこに着地したかを見ることも可能だ。

 FlightScopeのヘンリ・ジョンソンCEOは発表で「アスリートが新しい領域に入ることを支援する製品を発表でき、誇りに思っています。選手のスキルを向上させて次のレベルに引き上げるための信頼できるデータを提供します」と語っている。米オレゴン大学でハンマー投げの選手だったブリトニー・ヘンリーFlightScope Athletics事業開発責任者は「多くの点で投てき選手の助けになります。これは私の投てきキャリアの中で望んでいたツールです」とコメントした。