スポーツ賭博解禁が追い風

 ただ、このままNFL各チームの収益や資産価値が下がるかというと、逆に伸びるというのがもっぱらの見方である。スポーツ賭博の合法化とカジノの広告が解禁されたためだ。

 米国では1992年に連邦法「プロ・アマスポーツ保護法(PASPA)」が制定され、その時点でスポーツ賭博を法整備していたネバダ州、モンタナ州、デラウエア州、オレゴン州の4州を除く全ての州では違法とされ、ネバダ州でのみスポーツ賭博が行われてきた。しかし今年5月、連邦最高裁判所がスポーツを対象とした賭博の解禁を認める判断を下したのである。既にニュージャージー州ではオンラインによるスポーツ賭博が開始されている。これを受け、NFLは8月のオーナー会議でこれまで禁じられていたカジノの広告掲示を認めた。

 これらの影響についてゲーム産業団体のアメリカン・ゲーミング・アソシエーションは、スポーツ賭博の解禁でNFL全体で年23億ドルの収益増が見込めるとの調査結果を発表している。賭博によってファンの関心度が高まることで視聴率が上がり、NFLに入る放映権利料、スポンサーシップ、商品、チケットの売り上げは毎年13.4%増加し、17億5000万ドルの追加収入を得られると試算。さらに賭博事業者による広告、メディア、データ権利料、スポンサーへの支出が増えることで年5億7300万ドルの収入が生み出される可能性があるとした。

ダラス・カウボーイズは9月6日、カジノ事業者のウィンスター・ワールド・カジノ・アンド・リゾートと公式スポンサー契約を結んだことを発表した
(図:ダラス・カウボーイズ)
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 この点で、最も早く行動に出たのはカウボーイズだった。9月6日、カウボーイズのジェリー・ジョーンズ・オーナーがダラスの北オクラホマ州に本拠を置くカジノ事業者、ウィンスター・ワールド・カジノ・アンド・リゾートと公式スポンサー契約を結んだことを発表したのである。この他チームに先駆けた契約により、カウボーイズの潜在的価値がまた上がったのは確実である。