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渡辺史敏の「米スポーツ産業ヘッドライン」

チケット提示不要 MLB、19年に生体認証技術導入へ

2018/08/20 05:00

渡辺 史敏=ジャーナリスト

プライバシーや情報管理に課題

 こうした生体認証技術の導入が加速する一方で、懸念の声もある。個人のプライバシーや保存された情報の管理という課題だ。

 今年3月、米有力紙のニューヨーク・タイムズが、NBAのニューヨーク・ニックスやプロアイスホッケーNHLのニューヨーク・レンジャーズが本拠地とし、ボクシングの聖地ともいわれるマジソンスクエア・ガーデン(MSG)が金属探知機ゲートの上部にカメラを設置し、顔認証技術を使って不審者の判別を行っていると報じた。

 同紙の取材に対してMSG側は、「MSGは新技術の使用を継続してテストし、お客様に安全で素晴らしい体験を提供するために最も効果的なセキュリティー手順を採用していることを確認しています」とコメントしただけで、顔認証技術の使用についての回答を拒否した。このため、カメラがどのように使用されているかは判明していない。セキュリティーだけでなく、マーケティングやプロモーションに使用されているとする専門家もいたという。

 実際、セキュリティーという観点では、システムや導入の詳細を明らかにしにくい一面があるのは事実だ。米国では少なくとも2つのアリーナが顔認証技術を試験導入している。NBAの広報担当者は「リーグとチームは、顔認識を含む最先端技術の使用を模索しており、業界最高のセキュリティー対策を講じて、アリーナのすべての人々を保護しています」とコメントしているものの、NHLはコメント拒否している。