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渡辺史敏の「米スポーツ産業ヘッドライン」

米プロ野球の下部リーグがビジネス拡大にまい進するワケ

2019/03/29 05:00

渡辺 史敏=ジャーナリスト

 日本のプロ野球で「2軍」と言えば、プロに入ったばかりの選手を強化する育成の場の色彩が濃い。米メジャーリーグ・ベースボール(MLB)の下部組織であるAAAやAAといったマイナーリーグ・ベースボール(MiLB)もその役割を担ってはいるが、それだけではない。試合を開催して収益を得る、れっきとしたプロリーグなのである。そんなMiLBがビジネス拡大に積極的な動きを見せている。

MiLBのWebページ。「Copa de la Diversión(楽しいカップ)」という通年のキャンペーンを実施していることをうたっている
(図:MiLB)
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 MiLBは今シーズン、「Copa de la Diversión(楽しいカップ)」という通年のキャンペーンを実施している。「MiLBチームを多様なコミュニティと確実に結びつけ、ラテン系ファンの文化と価値観を受け入れて祝う」ことを主旨とする。メキシコや中米からのヒスパニック系移民のMiLB人気向上を目指したもので、2年目の展開となる。

 こうした取り組みは2017年に3チームが本拠スタジアム名をスペイン語に替えることから始まり、2018年は33チームが新キャンペーンに参加した。その結果、キャンペーン指定試合では前年同日に比べて観客数が8万5000人以上、12%も増えたということだ。

 今年は参加チームが72チームと倍増し、本拠地を置く州も19から29にまで増えた。シーズン中の全試合の78%以上、397試合がキャンペーン対象試合に指定され、メキシコ風のロゴが入った帽子などグッズの販売や地元コミュニティと連携したイベントなどが行われる。

 MiLBのカーツ・ハンツカー副社長は「Copa(コパ)の参加チームが増えたことは素晴らしい。全米でのMiLBコミュニティでラテン系ファンとのエンゲージメントが作られるのが分かって興奮している。MiLBの試合に参加し、それを感じてほしい」とコメントしている。