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渡辺史敏の「米スポーツ産業ヘッドライン」

「スーパーボウル」でストリーミング視聴者30%増も遅延トラブル露呈

2019/03/01 05:00

渡辺 史敏=ジャーナリスト

 米ジョージア州アトランタで現地時間の2019年2月3日に開催されたプロアメリカンフットボールNFLの優勝決定戦「第53回スーパーボウル」。ニューイングランド・ペイトリオッツがロサンゼルス・ラムズを13対3で破り、6回目の優勝を飾った。この試合の全米向けテレビ中継は4大ネットワークの1つである、CBSが担当した。

 その結果は、平均視聴者数が9820万人、視聴率が41.1%となった。これは2008年以来、11年間で最少の視聴者数であり、視聴率も16年間で最下位という数字である。総得点がスーパーボウル史上最少という守備的な試合展開だったことが、不振の大きな要因になったという見方が強い。

ストリーミングは“解放”で伸長

 だが、その一方で視聴者数を大きく伸ばしたのが、試合中継のライブストリーミングである。1分単位での平均視聴者数は260万人とテレビに比べるとまだ2.6%ほどの規模に過ぎないが、昨年の202万人よりも31%も増えた。ここ3年間右肩上がりを続けている。

 さらに、視聴に使われたデバイスの数は750万台で、これも昨年比で20%増だった。総視聴時間は5億6000万時間に達し、やはり19%増を記録した。これほど急激な増加をもたらした背景には、ストリーミングに関する施策変更がある。

 昨年まで試合のライブストリーミングを観るにはケーブルテレビや有料ストリーミングサービス、公式携帯電話会社のベライゾンなどに加入していて、そのID認証を行わなければならなかった。いわば囲い込みが行われていたのである。それが今回は加入者以外にも解放されたのだ。そのためCBSの有料ストリーミングサービス、CBS All Accessや有料のYoutube TVはもちろん、NFLの公式サイトやCBS Sportsのサイト、Yahoo Sportsのアプリなどから誰でも視聴できたのである。その結果、視聴者数の拡大に成功したというわけだ。