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渡辺史敏の「米スポーツ産業ヘッドライン」

「第4Qだけ見れます」 NBA、若年層獲得に大胆な挑戦

2019/02/14 05:00

渡辺 史敏=ジャーナリスト

見たい選手のプレーだけ撮影

 アダム・シルバー氏と米ツイッター CEOのジャック・ドーシー氏は、2019年1月に開催されたコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会「CES 2019」で、2月からツイッターで「iso-cam」と呼ばれるカメラ映像のライブストリーミングを開始すると発表した。これはまず、TNTが放送する試合の前半について、ユーザーから「@NBAonTNT」アカウントに自分が見続けたいと思う出場選手を投稿してもらう。その結果、最も投票の多かった選手を後半を通してiso-camが撮影し続け、それをライブストリーミングするものだ。選ばれた選手がベンチに下げられたら、ハイライトや舞台裏の動画が配信される予定という。

NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏と米ツイッター CEOのジャック・ドーシー氏は、CES2019のセッションに登壇し、両者のパートナーシップについて語った
(図:CEA)
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 これにより試合全体の中継は従来どおりTNTのテレビ中継で追いつつ、スマートフォン(スマホ)やタブレットではツイッターのiso-cam配信で好きな選手を追い続けるという新たな視聴体験を作れる。これもテレビを見ながら「セカンドスクリーン」と呼ばれるスマホやタブレットを利用することが多いミレニアル世代を意識した取り組みだ。

 この新ストリーミングは、2月17日に行われるオールスターゲームを皮切りに20試合での実施が予定されている。

 NBAのストリーミングにおける先進的な取り組みは、これだけではない。3年前に開始されたVR(仮想現実)ストリーミングも拡充している。最初は使用できるVRヘッドセットが韓国サムスン電子の「Gear VR」に限定されていたが、現在は「PlayStation VR」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)や「HTC Vive」(台湾HTC)など、対象を8機種にまで拡大。配信されている試合も毎週1試合以上、合計36試合となっている。

NBAはVRヘッドセット向けの試合映像のストリーミングを強化している。対応のヘッドセットを8機種にまで拡大した
(図:NBA)
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 シルバー氏は特にVRは有望と見ているようで、2018年11月にテレビ番組に出演した際、「試合に実際に行けるのは世界のファンの中でたった1%だけです。そして(ロサンゼルス・レイカーズの大ファンである俳優)ジャック・ニコルソン氏のようにコートサイドの席に座れるのは、さらにその数パーセントに過ぎない。どうやったらそういう体験を再現できるかが我々の挑戦なのです」と語り、VRの没入感への期待をアピールしていた。