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渡辺史敏の「米スポーツ産業ヘッドライン」

「第4Qだけ見れます」 NBA、若年層獲得に大胆な挑戦

2019/02/14 05:00

渡辺 史敏=ジャーナリスト

ターゲットはミレニアル世代

 しかし、NBAとテレビ放映権を持ちリーグパスを製作・運営するターナー・スポーツ傘下のテレビチャンネル、TNTの狙いは別にあるようだ。それはミレニアル世代と呼ばれる1980年代から2000年代初頭までに生まれた若者層の取り込みである。オンライン動画やSNSに慣れ親しんだこの世代は、短い視聴時間を好む傾向にある。

 そのため、試合中継で2時間も3時間も画面の前に留めるのは難しいという意見が多い。米国ではNBAのみならず、多くのプロリーグで試合時間の短縮が大きなテーマになっている。若年層は可処分所得が低く、高額なパッケージの利用料を支払いにくいという事情もある。

 第4クオーターのみの視聴パッケージは、まさにそんな世代に向けて気軽に試合中継を楽しんでもらうための施策なのである。ターナーのデービッド・レビイ社長は声明で「ファンは自分の視聴の好みに最も合うように体験をカスタマイズできます」とその点を強調した。またNBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は、やはりカスタマイズされた体験はNBAファンのニーズに合っているとしたうえで「試合後ハイライトを見るのを待つ代わりに、ファンはリアルタイムで試合の一部を楽しむことができるようになる」ともコメントしている。

 さらに2018年12月には、第2クオーター以降を4.99ドルで、第3クオーター以降を2.99ドルで視聴できるようにするなど、視聴の柔軟性を広げている。試合の好きなタイミングで10分間だけ視聴できるようにするパッケージの開発も行われているということだ。