■株式会社入曽精密の概要
【創業】1971年
【資本金】1600万円
【代表】代表取締役 斎藤 清和
【社員数】14人
【住所】埼玉県入間市狭山ケ原369-1
【得意な微細加工】マシニング微細部品加工、3次元形状加工 他

工作機械とデジタルの融合で「アルミのバラ」

 世界最小の0.1mm角のサイコロを造り出した会社が、埼玉県入間市に本社工場を置く入曽精密です。同社はマシニングセンターの限界にチャレンジしている会社です。3次元形状、微細形状の部品加工への取り組みに大きな変化が起きたのは、1995年にさかのぼります。この年、「Windows 95」が発売され、パソコンの機能が本格的に進化すると同時に、それまでワークステーションベースの高嶺の花であった3次元CAD/CAMが、中小製造業でも導入できるレベルのコストとなり、広く普及しはじめた時代でもありました。

 しかし当時、3次元CAD/CAMでモデリングしたデータを実際にマシニングセンターで加工するとなると、さまざまな課題が存在していました。まず膨大な3次元形状のNCデータの転送速度が加工速度に追いつかないこと。さらにマシニングセンターのNC制御装置のCPUの能力が足りず、1万5000行以上となったNCプログラムの1行を実行するのに、0.96~1.2秒もの時間がかかっていました。部品の1面の加工に約4時間もかかっていてはとても、3次元形状の部品加工はできないという壁に突き当たりました。

 しかし、同社の斎藤社長はあきらめませんでした。1996年になるとメモリー容量が大きくなり、先読み機能が優れた高速切削可能なマシニングセンターが研究開発されていました。斎藤社長はまだ製造の現場で普及していなかったこのような設備を探し出し、高速加工用マシニングセンターを導入しました。そしてLANケーブルで直結し、大容量のデータをを送り込むことで精密な3次元加工を極めて短時間(3~5分)で実施できるシステムを独学で作り上げました。この技術を結集して製造したのが、図1に示す「アルミのバラ」です。

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図1 アルミのバラ
写真:入曽精密

 斎藤社長はこの技術を「MC造形システム」と名付け、この技術は見事「日経ものづくり大賞」(第2回)を受賞するに至ります。

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