「切削」から「塑性」への工法転換技術

 ここまで、製造の7分類の中でも特に「切削」と「高出力」について述べてきました。さらに一般的な加工技術として、特に量産分野で用いられる「塑性」と「成形」について述べてみたいと思います。

 「塑性」とは主に金属材料を変形させる、あるいは打ち抜くことによって形状を造り出す加工技術のことであり、“除去加工”ともいわれる切削加工とは異なり、“非除去加工”による加工方法です。その代表的な加工方法としてプレス加工と製缶・板金加工を挙げることができます。

 特に量産分野で広く活用されているのがプレス加工であり、プレス加工は金型とプレス加工機によって行われます。プレス加工における微細加工分野として、従来は順送プレスによる半導体や電子部品のリードフレーム加工がその代表的な存在でした。これは、いわば2次元形状の加工であるといえます。

 ところが近年ではスマートフォンのコネクターなど、微細な3次元形状の製品をプレス加工(=冷間鍛造)により製造する、といったニーズが急速に増えています。従来こうした製品は、焼結金属やMIM(金属射出成形)のワークに対して切削加工を行うなどして製造していました。こうした加工方法をプレス加工(=冷間鍛造)に置き換えることができればコストは1/2~1/3と、劇的に下げることが可能になります。

 このように加工方法を置き換えることにより、コストを大きく引き下げる取り組みのことを「工法転換」といいます。特に近年ではスマートフォンやIoTの普及により、従来は「切削」を伴うやり方で造っていたコネクターなどの部品を、よりコストダウンを行うことを目的として「塑性」により加工することが大きなニーズとなっています。そのため、従来はプレス加工では困難あるいは不可能とされてきた形状・精度においても、プレス加工に置き換える「工法転換」技術が求められています。

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