ワールドテック 代表取締役、元デンソー設計開発者 寺倉 修 氏
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 「ミネベアミツミ」が2017年1月27日に発足した。ミネベアとミツミ電機の統合会社だ。機械部品に強いミネベアと電子・通信部品に強みを持つミツミ電機が一体になることで、異なる分野を幅広く持つ事業体となった。同月28日付の日本経済新聞によれば、ミネベアミツミ社長の貝沼由久氏は、2015年の統合発表会で「キーワードはコネクティビティーとセンサー。これから需要が急激に増える」と語っていた。今後は自動運転支援システムなどにセンサーなどの技術が生かせると同社は自信をみせる。

 確かに、異なる要素技術を融合すると新技術が生まれ、新たな製品を生み出せる可能性が高まる。ただし、その製品が上位システム、すなわち自動車メーカーなどの顧客の意向や動向に沿わないと、商品としての潜在的な競争力を高めることはできない。

 新たな製品を生み出すためにミネベアミツミがこれから抱える大きな課題は、自動車分野のセンサーについて技術と製品、システムの「ロードマップの整合性」を取ることだ。ロードマップの整合性とは、過去や現在を踏まえながら未来を予測することである。ここで、車載センサーについて考察してみよう。

 クルマには多くのセンサーが使われている。特に近年の増加は目覚ましく、搭載数は増える一方だ。クルマの機能は、「走る」「曲がる」「止まる」を司る基本機能に加えて、「安全」「快適」「利便」、そして「環境」といった分野の機能を進化させてきた。この進化は「カーエレクトロニクス(電子制御システム)」に支えられてきた。しかし、正確に言えば「車載センサーの進化に伴い、電子制御システムが発展してきた」と言っても過言ではない。

 例えば、パワートレーンの電子制御式燃料噴射(EFI)システム。このシステムにどれくらいのセンサーが使われているかご存じだろうか。実は、ざっと15個ものセンサーが使用されているのだ。車両制御やボディー制御、情報通信などのシステムを含めると、使用されているセンサーの総数は150個を超える。自動車はまさに「センサーの塊」なのである。

 電子制御システムはセンサーと電子制御装置(ECU)、アクチュエーターで構成される。センサーは、人の五感の働きのようにさまざまな情報を集めてECUに送る。ECUは脳の働きのようにセンサーからの情報を基に演算し、判断して手や足の筋肉に相当するアクチュエーターに指令を出す。アクチュエーターはECUの指令に従って動作する。

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