LEDが革新を起こしたライティングの未来を、ノーベル物理学賞受賞者の中村修二教授(米University of California, Santa Barbara)が、ディスプレー関連の国際カンファレンス「Display Innovation CHINA 2017/Beijing Summit」(以下、DIC 2017)の基調講演で展望した。中国ではノーベル賞受賞者はまだ少なく、非常に尊敬されている。今回の中村教授の基調講演は格別の注目を集めた。

基調講演に中村修二教授が登壇
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ディスプレーを革新した青色LED

 中村教授が開発した青色LEDによるライティングの革新は、照明だけでなく、ディスプレーにも大きな貢献を果たした。青色LEDに黄色のYAG蛍光体を組み合わせると、白色LEDを実現できる。これが液晶のバックライトに使えるようになったことで、携帯電話機のディスプレーのカラー化が実現した。さらに、白色LEDの高効率化、低コスト化が進んだことで、液晶テレビの高輝度化、低消費電力化、薄型・軽量化、高画質化にブレークスルーが起こった。

 また、白色LEDは液晶用バックライトだけでなく、固体照明や自動車のヘッドライトなど、広く応用されていることを中村教授は紹介した。その中でも特に高い関心を持っていると語ったのが、植物工場用のLED照明である。この分野では“白色の質”が非常に重要であり、通常のLED照明に比べて、太陽光に近いスペクトルを持つ照明を使うと植物はよく成長するという実験結果を写真で示した。

 続けて中村教授は、第2世代のLEDとして、自身が立ち上げた米国のベンチャー企業のSoraa社が手掛ける紫色LEDを紹介した。GaN on GaN技術に基づくものである。この紫色LEDと蛍光体を組み合わせた白色発光素子は、従来の白色LEDに比べて幅広いスペクトルを持つ。従って、より太陽光に近い白色発光が得られる。また、睡眠障害の要因になるブルーライト(青色発光)を含まないため、身体にも優しいという。

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