ディスプレーの進化は、これまで様々な部材によって支えられてきた。本稿では、ディスプレーの国際カンファレンス「Display Innovation CHINA 2016/Beijing Summit」(2016年11月1~2日、中国・北京)で披露された幾つかの部材技術の中から、聴講者の評判が高かった2件の講演を紹介する。1つは、JXエネルギーの有機ELディスプレー用の3種類の材料。もう1つは、中国Kangde Xin Composite Material社(KDX、康得新)による3Dディスプレー用の材料である。ディスプレーの製造が拡大する中国では新技術に関する関心も高く、新しい材料の発表も中国で行われることが多くなってきた。

JXエネルギー、有機EL用新部材のお披露目を中国で

 JXエネルギー 機能化学品カンパニー フィルム事業ユニット長の西村涼氏は、有機ELディスプレー用の材料として、(1)透明ディスプレー用基板およびウインドーフィルム用の透明ポリイミド材料、(2)偏光板表面の反射防止用として開発したナノインプリント技術、(3)偏光板の視野補償フィルム、の3つの材料を紹介した。

 (1)は、高耐熱透明ポリイミド用モノマーである。無色透明かつ高耐熱で低線膨張率な脂環式の新規ポリイミド用モノマー(酸二無水物)を新たに開発した。全光線透過率は89%、ガラス転移温度(Tg)は430℃、熱膨張係数(CTE)は11ppm/Kである。

 (2)は、ナノインプリントで微細構造を変化させるだけで位相差波長分散を自由に設計できる優位性を生かし、有機ELの反射防止フィルムに応用したもの。従来のフィルム技術では材料自身の物性に頼っていたが、今回の手法を使えば高価な樹脂材料や液晶材料は必要ないという(図1)。この技術の詳細を発表するのは、今回の中国のカンファレンスが初めてとのことである。

 (3)は、IPS液晶ディスプレーの位相差補償フィルムに使われていた技術を、有機ELディスプレーの円偏光板に応用したものである。

図1 JXエネルギーの有機EL反射防止用ナノインプリント技術
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