1. はじめに

 防汚性と硬度を高めたモスアイフィルム技術を東京理科大学 基礎工学部 電子応用工学科 教授の谷口淳氏のグループとオーテックス(東京・新宿)が共同開発し、東京の科学技術館で2017年11月14~16日に開催された「光とレーザーの科学技術フェア2017」で発表した。同技術について解説する。

2. モスアイ構造とその課題

 ディスプレーの表面反射を低減することを目的とした、無機膜や有機膜の多層構造の反射防止フィルムが実用化されている(図1)。しかし、反射率低減の効果を高めようとすると、工数が増えるなどの課題がある。

図1 従来の反射防止フィルムの構造
(科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム「A-STEP」の資料)
挿入図のように検出限界以下となった。

 一方、多層構造の反射防止膜よりも反射率が低いモスアイ構造のフィルムも、大型ディスプレー表面の反射防止用として実用化されている(図2)。同図に示すように、モスアイ構造はナノオーダーの針状構造であり、反射防止効果がある。しかし、表面にナノオーダーの凹凸を持つため、手で触れると破損や油分が付着し、反射率が劣化する課題があった。これを解決できれば、モスアイ構造がスマートフォンなどのタッチパネルへも使用可能になる。

図2 モスアイ構造を転写したフィルム
(A-STEPの資料)

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