1. はじめに

 印刷法で作製可能な有機トランジスタ(OTFT)から成る非接触ICタグは、大幅な低コスト化が期待されている。真空プロセスやフォトリソグラフィー工程を必要としないからだ。またOTFTは、低コスト化と同時に、センサーなどに必要な多様な材料との複合化が容易なことが特徴である。

 しかし、既存の通信規格に対応するためには、13.56MHz分周のためのOTFTの飛躍的な性能向上と、約2000個のOTFTの集積化が不可欠である。そのため、研究開発の長期化や製造工程の複雑化に伴う高コスト化が懸念されている。

 山形大学と宇部興産のグループはこのような課題の解決策として、パルス幅変調(PWM)方式による有機非接触ICタグを提案する。「第78回 応用物理学会 秋季学術講演会」(2017年9月5~8日、福岡)で発表した。より早期に、低い集積度で有機非接触ICタグを実現するためのアプローチである。また、同グループは要素回路の実測データとシミュレーションに基づいて、p型およびn型のそれぞれのOTFTの要求性能を明確にした。

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