[画像のクリックで拡大表示]
鮫島正洋=内田・鮫島法律事務所 代表パートナー 弁護士・弁理士
 前回は「技術的付加価値」と「非技術的付加価値」について論じました。前回取り上げた家具やバッグだけではなく、工業製品においても非技術的付加価値でグローバルシェアを高めた代表例に米Apple社の「iPhone」があります。

 iPhoneは2007年に米国で初めて上市され、その1年後に日本市場で上市されました。あっという間に従来の携帯電話、いわゆる「ガラケー(ガラパゴス携帯電話)」のシェアを奪い取ったことは記憶に新しいと思います。このiPhoneが急激にシェアを獲得した原動力は何でしょうか。言い換えるなら、ユーザーはiPhoneのどこに魅力を感じて購入行動に走ったのでしょうか。

 この例を講演で取り上げるときには、必ず「iPhoneの技術の素晴らしさに惚れ込んで購入した方はいますか?」という質問をしています。ところが、これまで100回近く講演した中で、手を挙げた人は皆無でした。つまり、iPhoneがシェアを獲得した理由は、技術的付加価値ではないということがここで立証されます。

 では、iPhoneの付加価値とは何でしょうか。iPhoneの設定価格が高価であり、決して安売りされないことはご存じの通り。従って、価格で勝負しているわけではありません。

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!