新工場含む生産体制決定のコツ

 続いて、基本方針に沿ってもう少し詳細に既存工場と新工場のありようについて見ていく。そのためには工程とQCDに関する情報をきちんと紐付けることが必要だ。具体的には、図3の通りだ。すなわち、工程別に基本方針と紐付く「コア工程要否」や「製品・部品のサイズ」、さらに検討結果の良否を判断するためのコストを可視化することが重要となる。

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図3●生産体の詳細検討準備

 情報の紐付けが終わったら、工程別に「コア工程要否」や「製品・部品のサイズ」を基本方針に照らし合わせて具体的な方針を決めていく。図4の例は、新工場に「部品A」を集約したケースだ。熟練度の高い既存工場に集約すると、コスト競争力が高まるケースが出てくる。場合によっては、既存工場または新工場のどちらかに集約すると輸送費の上乗せ分のため、集約せずに両拠点で生産した方が良い場合も考えられる。

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図4●生産体制方針検討例

 生産体制の検討時には、内外製やコストだけではなく、為替リスクや拠点集約による災害リスクなど考慮すべき点は他にもある。だが、それらのリスクを勘案するときにも基本となる生産体制を置かなければ検討することができない。まずは、基本的なものづくりの観点から生産体制を決めることが肝要だ。

生産部門の地道な取り組みから始まる全社フロントローディング

 以上のような生産体制を検討する際の前提は、工程の標準化が出来ていることと、フロントローディングで調達部門や設計部門と連携が取れていることである。なぜなら、標準工程があるからこそ安定した工数を期待でき、不具合の大発生リスクなどの不確定要素を除外して生産費用を精度良く見積ることができるからだ。

 加えて、フロントローディングで調達部門と連携することで、外注先や原材料の現地調達の可否、調達できる場合のコストの早期見積りが可能である。さらに、現地材料を使いこなすための設計見通しを早めに担保することで、新工場立ち上げの成功率を高めることもできる。

 工程の標準化に地道に取り組み、生産側から生産体制案を提示することで設計側のフロントローディングとかみ合う。これにより、最適生産体制が構築され、稼ぐ力が強化されるのである。