ディスプレイの画質や表示性能を決める要素は数多くある。その中から主要な要素を選んで,その概要を説明する。

輝度:画面の明るさ

 画面の明るさを表す。単位はcd/m2。Nit(またはnt)を使うこともある。 1cd/m2は1nitに等しい。

 CRTテレビやPDPテレビでは,画面全体を最高輝度の白にしたうえで測定する場合と,画面の一部に表示された最高輝度の領域を使って測定する場合を区別する必要がある。装置全体の消費電力を一定レベルに抑えるために,映像に応じて輝度を制限するシステムが組み込まれていることが多いからだ。例えば,画面全体を白表示にすると制限がかかって全体の輝度が自動的に下がる。画面全体を白表示にして測定した輝度を「全画面輝度」,画面の一部を使って測定した輝度を「ピーク輝度」と呼ぶ。

階調と色数:表現の変化の滑らかさ

 ディスプレイは,画面を構成する一つひとつの画素の輝度を制御することで映像を再生している。この輝度を制御できる細かさを階調という。階調数が多いほど,より緻密な表現が可能になる。1画素にnビットを割り当てたときの階調数は2nとなる。つまり,3ビットならば8階調,4ビットならば16階調である。

 カラー・ディスプレイの場合は,階調数が増えると表現できる色の数(色数)が増える。一般的な液晶テレビでは,RGBの画素を,それぞれ8~10ビットで制御している。8ビットの場合は 256階調で,1678万色を表示できることになる。10ビットになると1024階調で,表示できる色数は約10億色におよぶ。駆動方法を工夫することで,色数を増やしている製品もある。

コントラスト:黒と自の輝度の比

 白と黒の輝度の比。「10000対1」のように,黒の輝度を1としたときの白の輝度の比で表示する。コントラストが大きいほど,画面が鮮明に見える。PDPの場合は,前面の蛍光体が光を反射してしまうため,明るいところではコントラストが低下する。液晶パネルの場合は,前面に偏光板を備えているため,外光によるコントラストの低下は比較的少ない。

精細度:きめ細かさの尺度

 画像のきめ細かさを表す。対角1インチ(約2.5cm)当たりの画素数で示し,単位にはppi(pixel per inch)を用いる。基本的に,画面寸法と画素数によって精細度が決まる。例えば,同じ画面の大きさならば,画素数が多いほど精細度は高くなる。

解像度:細かい画像の表示能力

 精細度と同様に,画像のきめ細かさを表す尺度。一般には,白い線と黒い線を交互に並べて,1mm当たりに表示できる本数で解像度を表す。テレビ受像機の場合は,白と黒それぞれを一本として画面で表示できる本数で表す。横向きに線を並べて,画面の高さ方向に表示できる本数で示した解像度を垂直解像度。 縦向きに線を並べて,画面横方向に表示できる本数を水平解像度と呼ぶ。単位には「TV本」を使う。

画素数:画面を構成する画素の数

 表示デバイスあるいは画面上に縦横に並んでいる画素の数を示す。カラー・ディスプレイでは,R(赤),G(緑),B(青)のサブピクセルを合わせて1画素とする。単位面積に並んでいる画素数が多いほど高精細な画像が再生できる。

色再現性:色の表現能力

 入力された映像の色を忠実に再現するディスプレイの能力を指す。色再現性の能力は一般に,CIE(国際照明委員会)が標準化したxy色度図の上で再現可能な範囲(色再現範囲)で表す。xy色度図は,人間が認識する色を決めるパラメータのうち,物理的に測定可能なパラメータ(物理量)と人間の目のシステムに依存するパラメータ(心理物理量)に基づいて,2次元座標上に色を表したものである。座標軸上の1点が特定の色に対応している。

ガンマ特性:輝度の出力特性

 入力信号に対してディスプレイが出す光の出力特性のこと。ディスプレイの種類によって異なる。例えばCRTが出す光の量は,入力信号の2.2~2.8乗に比例する。つまり,CRTは非線形なガンマ特性を備える。一方,PDPは入力信号に対して線形に変化するガンマ特性を備える。液晶パネルは,低輝度(黒)と高輝度(白)の領域で変化が小さくなるガンマ特性を示す。ところが,現在のテレビ放送番組は,再生するテレビ受像機のディスプレイがCRTであることを前提に,CRTの出力特性が線形になるように,あらかじめ放送局で映像信号のガンマ特性に補正(いわゆるガンマ補正)を加えている。 このため,CRT以外のディスプレイを使ったテレビ受像機では正しく表現できないことになる。例えばPDPでは,黒の階調が不足するといった間題が生じる。そこで,テレビ受像機においてガンマ補正を加える必要がある。