GaN系青色LEDなどの関連特許を巡り,かつて大手LEDメーカー同士が日本だけでなく海外でも繰り広げてきた係争のこと。1996年に日亜化学工業が同社特許に抵触するとして豊田合成を提訴し,それに対抗する形で豊田合成が日亜化学工業を提訴するなど,以後,特許抵触やそれぞれの特許の無効を訴える係争を展開していた。両社にとどまらず,日亜化学工業は米Cree,Inc.,台湾Epistar Corp.や台湾Everlight Electronics Co., Ltd.,韓国Seoul SemiconductorCo., Ltd.などとも係争状態にあった。

 対象も青色LEDにとどまらず,白色LEDやGaN系半導体レーザ(青紫色半導体レーザなど)も含まれていた。青色LEDや白色LEDを業界に先駆けて量産展開してきた日亜化学工業は「モノは売るが特許は売らない」として,同社特許のライセンス供与を拒んできた。

 しかし,2002年に入るとこの状況が大きな変化が現れる。日亜化学工業が白色LEDに関してシチズン電子に特許のライセンス供与を始め,2002年6月にドイツOSRAM GmbHや同社のグループ会社とGaN系発光素子の特許についてクロスライセンス契約を締結,2002年9月には特許侵害を巡り6年間続けてきた豊田合成との係争を終結させた。同年10月には米Lumileds Lighting, LLC(現在,米Philips Lumileds Lighting Co.)とクロスライセンス契約を締結,11月には係争関係にあったCree社と和解しクロスライセンス契約を結んだ。これにより日亜化学工業を核とする,豊田合成とOSRAM社,Lumileds社,Cree社の大手LEDメーカーの提携関係が出来上がった。

 その後は日亜化学工業とアジアのLEDメーカーとの係争が続いてきたが,2009年2月に日亜化学工業は韓国の大手LEDメーカーであるSeoul Semiconductor社と和解し,クロスライセンスを締結した。

21世紀に入って市場と係争の状況が変わった
日亜化学工業が1993年に青色LEDを発売してから2002年に豊田合成と和解するまでの流れ。
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出典:LED テクニカル ターム
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