東京理科大学発ベンチャー企業のイノフィス(東京都新宿区)は、腰の動きを補助する外骨格式の装着型動作補助装置「マッスルスーツ」の軽補助モデルを2015年6月25日から試験販売すると発表した。

 今回発表した軽補助モデルは、本体質量4.2kg、最大補助力23kgfで、価格は60万円(税抜き、以下同)である。これまで販売してきた標準モデルは本体質量5.5kg、最大補助力30kgfであるため、質量が20%以上軽くなり、その分、最大補助力も20%ほど小さくなった。価格は標準モデル(60万円)と同じとなる。

 イノフィス取締役・CTO(最高技術責任者)で、東京理科大工学部教授である小林宏氏は「2013年12月にイノフィスを設立し、標準モデルを累計約800台出荷した。その中で、もう少し軽いマッスルスーツがほしいというユーザーの声があり、今回の軽補助モデルを発売することになった」と説明する。補助力をある程度に抑える代わりに、軽さを求めるニーズ向けに改良したものとなる。

 マッスルスーツの標準モデルでは、2本対の「McKibben型人工筋肉」を左右に1組ずつの合計4本採用していた。これに対して、軽補助モデルでは軽量化のために、人工筋肉を左右に1本ずつの合計2本へと減らした。この結果、軽量化の一方で、最大補助力がその分小さくなった。さらに、人工筋肉などを収納する骨格部分の構成部品(アルミニウム合金ダイキャスト製)などの厚さを薄くするなどの設計見直しの工夫を加えて、合計約1kg強の軽量化を達成した。

注) マッスルスーツの動作原理であるMcKibben型人工筋肉は、ゴムチューブの外側を丈夫なポリアミド(ナイロン)製繊維の織物(メッシュ)などで被覆したチューブである。このMcKibben型人工筋肉のゴムチューブに高圧空気を注入すると、ゴムの内径が膨らむ分だけ、ポリアミドメッシュ被覆ゴムチューブのアクチュエーター自身は長さ(長手方向)に収縮し、圧縮力が発生する。この圧縮力をアクチュエーターの動作として利用するのが基本原理である

 この軽補助モデルを装着して重いものを運ぶなどの作業をすると、「装着した人間の背筋力を補うことで、大まかには腰への負担が約1/3になる」と、小林取締役は説明する。

図●「マッスルスーツ」の軽補助モデル
実際の利用時にはカバーを装着する。(左)McKibben型人工筋肉を収納する仕組みの骨格部分、(中)人工筋肉は左右に1本ずつの合計2本の構成、(右)実際に軽補助モデルを装着した際の持ち上げ動作
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