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再エネと分散電源統合の国際会議「IRED2014」が京都で開催、再エネ大量導入の影響と対策で活発な議論

2014/11/26 19:44
藤堂 安人=日経BPクリーンテック研究所
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「IRED2014」が開催された京都国際会館(出所:日経BP)
「IRED2014」が開催された京都国際会館(出所:日経BP)
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講演会場の様子(出所:日経BP)
講演会場の様子(出所:日経BP)
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 再生可能エネルギーと分散電源の統合に関する国際会議「IRED2014」(International Conference on Integration of Renewable and Distributed Energy Resources 2014)が、11月17日~21日まで京都市内で開催された。先進国を中心に太陽光や風力など再生可能エネルギーの大量導入が系統に与える影響が深刻化し、スマートグリッドなどの技術面に加えて政策や経済面など幅広い議論が展開された。

 今回の全体の議長(Chair)を務めた東京大学生産技術研究所特任教授の荻本和彦氏は、「再生可能エネルギーが大量導入されると系統網に何が起き、需給調整の技術面で何ができるのかは分かってきた。議論は、需給調整機能が本来持っている価値をどうマネタイズし、制度設計をどう進めていくのかに移ってきた」と語る。

 会議では、電力市場が自由化されている米国のカリフォルニア州やテキサス州、欧州各国で、再エネを大量導入するために、電力市場をどう活性化し、規制のフレームワークをどう設計するかが議論された。

 また、IREDでは毎回、各国で進められているプロジェクトが数多く紹介されるが、今回は、分散電源に加えて、ヒートポンプや燃料電池、電気自動車(EV)、さらにはデマンドレスポンス(需要応答:DR)も含めた分散型エネルギー資源(DER:Distributed Energy Resources)をどう統合するかという観点や災害時にレジリエンス性を高めるマイクログリッドに関するプロジェクトを紹介する講演が多かった。

 日本からは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主体で実施しているスマートグリッドプロジェクトについて、「DER統合」という視点から、再エネ、ストレージ、EV、デマンドレスポンス・XEMS(エネルギー管理システム)、マイクログリッドというテーマごとに紹介した。中でも、ハワイ島での実証プロジェクトの担当者からは、電気自動車を核にして、V2H(Vehicle to Home)からV2G(Vehicle to Grid)、さらにはVPP(Virtual Power Plant)を目指す方向性が示された。

 米国からは、EPRI(米国電力研究所)が全米のスマートグリッドプロジェクト48事例について全体像が示し、特にDER、VPP、マイクログリッドの最新成果が報告された。特に、再生可能エネルギーの大量導入に伴う系統接続の取り組みについて、風力についてはニューヨークISO(Independent System Operator:独立系統運用機関)が、太陽光についてはメガソーラー事業者である米ファーストソーラーが、予測技術の開発や変動を平準化する制御技術の導入状況について説明した。

 欧州からは、EU(欧州連合)が推進するスマートグリッド実証プロジェクト「GRID4EU」(2011~2016年)の進捗状況が報告された。ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スウェーデン、チェコの6カ国のDSO(Distributed System Operators)が主体となり、テーマはDERをいかに配電網に取り込むかである。例えば、フランスのニース近郊で実施されている「NICE GRIDプロジェクト」では、各需要家が導入した太陽光発電、蓄電池に加え、エアコン、暖房機器、熱水タンクなどのエネルギー機器を、スマートメーターを活用して管理・制御して、配電系統網を安定化させる取り組みを進めている。ある地区については、開閉器を使って実際にマイクログリッド(アイランディング)化する検討も行っている。

 IREDは、2年に1回の頻度で開かれており、日本では初の開催。約40カ国から325人が参加した。次回は、2016年10月にカナダで開催される。

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