手術支援ロボット「da Vinci」が保険導入へ

他の先進医療22技術とともに4月から

2012/02/08 13:46
井上 俊明=デジタルヘルスOnline
2012年4月から健康保険の給付対象になる「da Vinci S」
2012年4月から健康保険の給付対象になる「da Vinci S」
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 厚生労働省の中央社会保険医療協議会は、2012年1月27日、先進医療として承認されている技術のうち23技術を、同年4月から健康保険の給付対象とすることを了承した。「根治的前立腺全摘除術における内視鏡下手術用ロボット(da Vinci S)支援」など、デジタルヘルス分野の技術も含まれている。

 「da Vinci S」は、米国のIntuitive Surgical社が製造する手術支援ロボット。内視鏡により得られた画像を10倍に拡大してディスプレーに表示し、術者はそれを確認しながらレバーを動かし、ロボットアームを遠隔操作して手術を行う。内視鏡下手術なので患者の体への負担が小さい上、遠近感のある3次元画像が得られる、細かな手術操作ができる――などの特徴を持つ。

 世界では全機種合わせて既に約2000台が売れ、うち半分以上は米国での販売実績。日本では、ジョンソン・エンド・ジョンソンが2009年に「da vinci S」で薬事承認を取得、大阪の医療機器専門商社であるアダチが、総販売代理店となっている。適応は泌尿器科のほか、一般消化器外科、胸部外科(心臓外科を除く)など。

期待される市場の拡大



 今回、保険導入が決まった根治的前立腺全摘除術での使用は、現在、先進医療として承認を受けている。患者は手術費用は全額自分で負担しなければならないが、検査や入院などの費用は、1割または3割の健康保険の自己負担分のみで済む。2012年1月時点の実施施設は、東京医科大学病院、医療法人長尽会長久保病院、岡山大学病院、鳥取大学医学部付属病院、藤田保健衛生大学病院の5施設。先進医療としての実績は、2010年10月の承認からの9カ月間で90件。手術代の総額を実施件数で単純に割れば、1件平均77万円ほどで手術が行われている計算になる。

 保険導入されれば手術料も含めた全治療費用の最大3割ほどの自己負担で済む。診療報酬が何点に設定されるかは、今週中に中央社会保険医療協議会が答申する新しい診療報酬に盛り込まれる見通しだ。点数にもよるが、健康保険の適用となることで実施施設および手術を受ける患者数の増加が期待できる。

 なお、2012年1月27日の中央社会保険医療協議会では、ICT(情報技術)を手術計画の立案や手術の安全性・正確性向上に用いた技術が二つ、先進医療から保険導入されることになった。「肝切除手術における画像支援ナビゲーション」と「三次元再構築画像による股関節疾患の診断および治療」だ。2012年1月時点で、それぞれ18施設、7施設が先進医療として実施しており、年間の実績は324件および358件(2010年7月~2011年6月)。

 また、先進医療以外からも、「高解像度赤外線CCDを用いた眼振検査」などのデジタルヘルス関係の技術が、保険導入されることになった。

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