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体内に埋め込み可能な「発電ゴム」,Princeton大が開発

2010/02/02 22:01
野澤 哲生=日経エレクトロニクス
図1 開発した発電ゴム・シート 写真:Frank Wojciechowski
図1 開発した発電ゴム・シート 写真:Frank Wojciechowski
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図2 ゴム・シートに転写して作製する。 図:Michael McAlpine/Princeton University
図2 ゴム・シートに転写して作製する。 図:Michael McAlpine/Princeton University
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 米Princeton Universityは,曲げ伸ばしすることで発電するシート状のシリコーン・ゴムを開発した(大学の発表資料,および論文)。「従来あったものより,発電効率は4倍以上高い」(同大学)という。携帯端末や靴などに埋め込むことで,歩行や走行時に発電可能になるほか,体内の臓器,具体的には肺などに張り付けて息をするごとに発電させ,ペース・メーカーへ給電する用途などを想定しているという。

 開発したのは,Princeton University,Department of Mechanical and Aerospace Engineering,ProfessorのMichael McAlpine氏の研究チーム。シート状のシリコーン・ゴム(PDMS)の内部に,圧電材料のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)の薄膜を埋め込んで作製した(図1)。特徴は発電効率の高さ。折り曲げる際の機械的エネルギーの80%を電力に変換できると主張する。この効率は,従来の同様な発電素子の4倍以上になるという。

 高効率を実現したポイントは,同氏らが「ナノリボン」と呼ぶPZTの薄膜の形状にある。幅10μm弱のリボン状にしたもの100本以上を短冊のように敷き詰めた格好になっている。作成方法は,まずこのPZTの短冊を酸化マグネシウムの基板上に積層させる。次に,その上にPDMSのシートを張り付け,それをはがしてPZTの短冊をPDMS上に転写する(図2)。

 作製したPDMSシートの寸法は現状では親指大だが,「シートの大きさはずっと大きいものでも作れる」(同大学)。PDMSは生体との相性がよく,しばしば人工臓器などの医療用に用いられる。この性質を利用して肺などに装着し,呼吸時の肺の伸縮のエネルギーから,埋め込み型の医療用機器に給電することを考えているという。

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