MM総研は,2008年度上半期(2008年4~9月)におけるパソコンの国内市場の調査結果を発表した(発表資料)。総出荷台数は対前年同期比7.8%増の638万3000台で,上期の出荷台数としては過去最高を記録した。いわゆる「ミニ・ノートPC」と呼ばれる小型で低価格のノート・パソコンが出荷台数を押し上げた。2008年1月に台湾ASUSTeK Computer Inc.が日本市場に「Eee PC」を投入して以降,各社の参入が相次ぎ,上半期全体のミニ・ノートPCの販売台数は38万台に達した。市場全体の出荷台数の6%を占めたという。ただし,このミニ・ノートPCの市場拡大によって,市場全体の出荷金額は減少し,対前年同期比4.1%減の6800億円だった。平均販売単価も,ミニ・ノートPCの販売台数の増加が影響して,前年同期から1万3300円減の10万6500円となった。

 メーカー別の出荷台数を見ると,1~7位までの順位に前年同期と比べて変動はなかった。ただし,ミニ・ノートPCの出荷増によって,8位と9位に台湾Acer Inc.とASUSTeK Computer社が浮上した。Acer社は対前年同期比291.7%増の23万5000台,ASUSTeK Computer社は同45倍の22万5000台を出荷した。Acer社は,ミニ・ノートPCである「Aspire one」を第2四半期に日本で発売したが,この機種の出荷台数は今度も大幅に伸びるとMM総研はみている。


メーカー別の出荷台数シェア (画像のクリックで拡大)

 その他のメーカーを見ると,首位はNECで,対前年同期比0.4%減の126万5000台を出荷した。同社が市場全体の成長率を下回ったのは,2008年7月に企業向けデスクトップ・パソコンの筐体の調達先が倒産して生産できなかったためという。当初の予想では出荷台数はもっと落ち込むとみられていたが,ノート・パソコンによる代替などで補ったとする。2位は富士通,3位は米Dell Inc.,4位は東芝で,出荷台数はそれぞれ対前年同期比9.3%増の122万4000台,同7.8%増の100万5000台,同4.1%増の64万台だった。上位7社の中で最も伸びたのは米Hewlett-Packard Co.(HP社)で,対前年同期比29.2%増の57万5000台を出荷した。5位はソニーで,前年同期と同水準の38万台を出荷,6位は中国Lenovo Group Ltd.で対前年同期比7.9%減の29万台を出荷した。

 市場別に見ると,個人向け市場の出荷台数が伸びた。同市場の出荷台数は対前年同期比15.6%増の293万7000台で,2005年度上半期以来,3年ぶりの2ケタ成長となった。牽引したのはミニ・ノートPCという。一方,企業向け市場は低調で,同2%増の344万6000台。特に第2四半期以降,企業の設備投資抑制の影響を受け伸び悩んだ。

2008年度通期の出荷台数は対前年比6.1%増に

 2008年度下半期の出荷台数は,対前年同期比4.6%増の745万台と予測する。引き続き,個人向けのミニ・ノートPCが市場を牽引するとみる。ただし,企業向け市場の出荷台数は,ほぼ前年同期並みの水準にとどまると予測する。企業向けパソコンは,本来買い替え時期に当たっているが,2008年8月以降の株安や円高の影響で,投資を抑制する企業が相次いでいるためとする。2008年度通期の出荷台数は対前年比6.1%増の1383万3000台に達する見通し。過去最高を記録した2000年度には及ばないものの,過去2番目の水準まで拡大すると予測する。