《任天堂編》

 1983年発売の「ファミリーコンピュータ」から,1990年の「スーパーファミコン」,1996年の「NINTENDO64」,2001年の「ニンテンドーゲームキューブ」,2006年発売の「Wii」まで任天堂の据え置きゲーム機,5機種を分解展示している。

 任天堂のハードウエア設計の特徴は,その時々の先端の技術を取り入れる努力をしつつ,低価格で販売できる工夫を忘れない点にある。汎用品のCPUをゲーム機向けに改良して搭載することが多いことや,すっきりとして美しい基板の設計などに,そうした姿勢が見て取れる。

 基板が美しく見えるのは,部品点数が少なく設計がこなれているため。これはコスト面で有利になり,販売価格を安くできるほか,信頼性を高める効果もある。

ファミリーコンピュータ(1983年7月発売,1万4800円)

 業務用ゲームとして当時,大ヒットしていた「ドンキーコング」を家庭でも遊べるゲーム機を目指して開発された。CPUはリコーが開発した「RP2A03」。米Rockwell international社からリコーがライセンスを受けた8ビットCPU「6502」から不必要な機能を除き,ゲーム機用の機能を加えている。

 米MOS Technology社が開発した6502は,米Apple Computer社(現Apple社)が1977年に発売したパソコン「Apple II」に採用されて一躍有名になった。ただし,ファミコンの開発が始まった1983年ごろの日本国内ではあまり一般的ではなく,任天堂の技術者は当初,採用に難色を示したという。だが,コスト面の有利さと,他社に知られていないというメリットを考慮して採用を決めた。

 レバー式のROMカセット取り出し機構の搭載を発案したのは,当時 開発第一部 部長だった故 横井軍平氏。特徴的な赤と白のカラーリングは当時の社長 山内溥氏の要望で決まったというエピソードがある。


「ファミリーコンピュータ」の基板 (画像のクリックで拡大)