45nmプロセスが主流に

 さて,その一方で2008年よりCore 2は45nmプロセスへの移行を開始した。今回はDual CoreとQuad Coreがほぼ同時にリリースされ,65nmプロセスの製品はCeleron系列を残してほぼ全てが45nmに移行した。Pentium DCすらも2008年8月に45nm製品が投入されており,当面,65nmプロセスを採用した製品はCeleron系列だけが残ると見られる。ただMobile向けには2009年に「Penrynville」という名前で,「Penryn」のL2キャッシュを削減したCeleronの投入が予定されており,デスクトップ向けにもこれが投入されると見られている。


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 この45nm世代で,新しい製品が投入された。それは「Silverthorne/Diamondville」という名前で知られる「Intel Atomプロセサ」である。系列的には(90nmプロセスのDothanベースで製造された)LPIAプロセサの後継となるもので,従来とは全く異なるインオーダのパイプラインを持つ製品である。SilverthorneはMID(Mobile Internet Device)向けに超小型パッケージングで提供される製品で,Diamondvilleは「NetTop/NetBook」と呼ばれる低価格デスクトップ/モバイルと,組み込み向けの製品。やや大振りのパッケージで提供されるといった違いはあるが,構造そのものは他品種と変わらない。性能は通常版のPentium Mと同等以下というあたりで,今となってはお世辞にも高速とは言えない。ただし,Core 2と完全互換の命令セットを持ち,また「ULV Celeron M」などと同等以下(特にSilverthorneはTDPが2W程度である)の消費電力で動作する。しかも,ダイサイズが小さいために,非常に廉価といった特徴を持つ。このため,これまで以上に応用範囲が広がることが期待されている。実際Intel社はSilverthorneをARMプロセサ(おそらくARM10~ARM11あたり)に競合する製品と位置づけている。Diamondvilleは従来,消費電力や実装面積の問題で投入できなかったマーケット向けの切り札と位置づけている。実際,例えばCOM Expressモジュール向けには従来Mobile向けの省スペースパッケージが多く利用されてきた。COM Expressモジュールが提供できる消費電力と実装面積に収まるものが他になかったから,ということだがこのパッケージは特定用途向けということでかなり高価である。これがDiamondvilleを使うことで,はるかに安価に構成が可能になっている。ただし,性能はそれほど高いものではない。ラインナップが限られる関係で「もう少し消費電力が増えてもいいから,より性能が欲しい」といったユーザーの要求に対応ができない。これに対する回答が,まもなく投入されるDiamondville-DualCoreである。要するにMCM(multi chip module)を使い,Diamondvilleを2つ搭載したパッケージである。これはNettop/Netbookや,一部の組み込み向けアプリケーションには良い選択肢となるだろう。

新しい製品が続々と登場

 これに続く話であるが,まずハイエンドの「Xeon MP」向けとして6 Coreの「Dunnington」が2008年9月にリリースされる。これはCore 2系列では唯一,Xeon MPの専用設計となる製品で,3基のPenryn(Dual Core+6MB L2)と16MB L3キャッシュが一つのダイに納められたものとなる。ただ流石に組み込み向けとは無縁の存在だろう。これに引き続き,新世代のコアとなる「Nehalem」ベースの製品が,まずハイエンドデスクトップ向けに「Core i7/Core i7 Extreme Edition」として2008年中にリリースされる見込みだ。ついで同じ構成でXeon DP向けの「Nehalem-EP」が2009年に,更に2009年後半か,ひょっとすると2010年にXeon MP向けの「Nehalem-EX」がそれぞれリリースされる。ここまでの製品は従来のFSBと決別し,全く新しいQPI(Quick Path Interconnect)と呼ばれるインターフェースを装備し,DDR3のメモリコントローラをCPU側に内蔵したものとなる。当然パッケージも従来と全く異なるものになる。Nehalem-EPやNehalem-EXはまだ未公開だが,Core i7/Core i7 Extremeは,LGA1366と呼ばれる1366ピンパッケージとなることが既に公開されている。

 またこれに引き続き,2009年中旬にはメインストリーム向けに「Lynnfield/Havendale(Desktop)」と「Clasksfield/Auburndale(Mobile)」といった製品が投入されることが明らかになっている。こちらはQPI(QuickPath Interconnect)は持たず,代わりにPCI Express x16レーンとDMI,それにメモリコントローラとグラフィックコントローラ(Havendale/Auburndaleのみ)をCPUに統合したものとなる。当然パッケージも変更されると思われるが,詳細は未公開だ。ただこれが組み込み向けにどうか,といわれると,DirectX 10相当のグラフィック内蔵(Havendale/Auburndaleのみ)とか4core/8thread(Lynnfield/Clasksfield)という構成は組み込み向けに過剰であることは間違いない。既存のPentium DC/Celeronといったバリュー向け製品は,引き続き2009年も供給されると思われるので,当面はこちらを使うことになるのではないかと思われる。

 これとは別に,2008年にIntel社は二つのSOCを発表している。ネットワーク向けのIntel EP80579。Pentium Mにネットワークアクセラレータを追加した,IXP4xxシリーズの後継製品である。それとCE(Consumer Electronics)向けのIntel Media Processor CE3100。こちらもPentium MにDigital TV向けのアクセラレータを追加したもの。さらに2009年には,品種が大幅に増える見込みだ。例えばSilverthorneは現在単なるCPUとして供給されているが,2009年に登場予定の後継製品である「Lincroft」はこれにメモリコントローラとグラフィックを統合したSoCとなることが明らかにされている。これ以外にも特定用途向けとなるSoCの登場が予定されている模様で,この結果として従来のように汎用CPUを使ってのシステムから,SoCベースのシステムにトレンドが移行するものと考えられる。

 これらと全く違う「Larrabee」と呼ばれるコアも投入される。こちらはP5相当のコアを10個とメモリコントローラ,ディスプレイインターフェースなどを統合したもので,ATI(AMD)やnVIDIAのGPUのマーケットに投入される製品となる。将来的にはGPGPU(General Purpose GPU)として科学技術計算などにも利用されるだろう。場合によっては組み込みにも多少係わり合いがありそうだが,当面は関係ないだろう。