SpaceCubeの外観。外形寸法は52mm×52mm×55mm。
SpaceCubeの外観。外形寸法は52mm×52mm×55mm。
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会場ではパソコン上の画像ファイルを,SpaceWireを介してSpaceCubeに送信する実演を行った。パソコンから出たEthernetを,専用の変換装置によってSpaceWireの信号に変換し,SpaceCubeに送った。写真はその変換装置。
会場ではパソコン上の画像ファイルを,SpaceWireを介してSpaceCubeに送信する実演を行った。パソコンから出たEthernetを,専用の変換装置によってSpaceWireの信号に変換し,SpaceCubeに送った。写真はその変換装置。
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SpaceWire用インタフェースLSIには,ソフト・エラー対策などを施した宇宙空間での使用専用品を用いた。
SpaceWire用インタフェースLSIには,ソフト・エラー対策などを施した宇宙空間での使用専用品を用いた。
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小惑星探査機「はやぶさ」に搭載された探査ロボット「ミネルバ」のバックアップ機。
小惑星探査機「はやぶさ」に搭載された探査ロボット「ミネルバ」のバックアップ機。
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 「Teacube」や「EvaCube」など立方体状のT-Engine評価システムが,ついに宇宙分野にも進出する。NECソフトは,Teacubeを基にして宇宙機用に変更を加えたT-Engine評価システム「SpaceCube」を,2005年12月14日から開催中のTRON関連の展示会「TRONSHOW 2006」で展示した。人工衛星などの宇宙機で用いられるインタフェース「SpaceWire」を備えるのが特徴である。NECグループでは,NEC東芝スペースシステムが人工衛星の開発などを手掛けており,NECソフトがそのソフトウエア開発などを受託している関係から,SpaceCubeの開発に至ったという。

 今回のSpaceCubeは,あくまでソフトウエア開発の支援用であり,このまま人工衛星などに搭載するわけではないが,「プリント基板がむき出しの評価ボードより,立方体状でスマートな筐体に収まっている方が,開発作業も楽しい」(NECソフトの説明員)とする。今後,人工衛星の組み込みソフトウエア開発現場などに売り込んでいくという。

 SpaceCubeは,FPGAを搭載するボードをTeacubeに追加することで,3チャネルのSpaceWireインタフェースに対応した。搭載するマイコンはNECエレクトロニクスのVR5701であり,Teacubeと同じである。

 SpaceWireは,物理層に差動伝送方式の「LVDS」を採用し,送受信用のFIFOを組み合わせた簡素なインタフェースである。IEEE1355を基にしている。FPGAなどに搭載されているLVDSの送受信回路さえ用意すれば,特別なインタフェースLSIは必要ないため,安価にシステムを構成できるという。データ伝送速度は最大200Mビット/秒で,ネットワークのトポロジーもスター型やツリー型,リング型などを選択可能で自由度が高い。宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米NASA,欧州のESAなどが共同で策定したものである。

 会場ではSpaceCubeと接続して使う拡張ボード「SpaceWire Extension for T-Engine」も参考出展した。SpaceWireを3チャネル,CAN 2.0Bを1チャネル,IEEE1394a-2000を3チャネル搭載しており,これらの間でのプロトコル変換やゲートウエイ用途などに向ける。NECソフトとNEC東芝スペースシステムが共同開発した。

「はやぶさ」に搭載した探査ロボットも展示

 NECソフトはブースで,JAXAが開発した小惑星探査ロボット「ミネルバ」も参考出展した。OSとしてμITRONを搭載する。ミネルバは,2005年11月に小惑星「イトカワ」に着陸した探査機「はやぶさ」に搭載されているロボットである。はやぶさから放出された後,イトカワの表面を移動しながらカメラで映像を撮影する役割を持つ(はやぶさに関するJAXAの説明資料)。今回はこのミネルバのバックアップ機を展示した。

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