「ムーアの法則の減速が、米Avago Technologies社との合併を生んだ」。米Broadcom社の社長兼CEOのScott McGregor氏は中国・北京で2015年6月25日に開催された報道機関向けイベント「BROADCOM ASIA MEDIA SUMMIT」で登壇し、4兆円を超える金額が動いた巨大合併が進められた理由をこのように語った(図1)。

図1 講演するMcGrefor氏
図1 講演するMcGrefor氏

 Avago Technologies社と米Broadcom社の合併は2015年5月28日に発表があったもの。Avago社が総額370億米ドル(約4兆6000億円)を投じてBroadcom社を2016年第1四半期までに買収する形を採る。存続会社名はBroadcom社だ。

 ムーアの法則は、製造プロセスの微細化によって約2年に2倍のペースで半導体の集積度が向上するという経験則。McGregor氏が示したデータによれば、28nmプロセス近辺で100万ゲート当たりのコストが最小になり、その後は微細化が進むと逆にゲート単価が上がっていく(図2)。加えて、微細化が進むほど1チップに集積可能な回路の規模が大きくなり、回路設計に関わるコストが上がる(図3)。「これまで、どんどんプロセスを微細化して性能・機能を拡張していけばよかったのが、今後は機能とプロセス技術のバランスを採る時代になる。つまり、コスト低減においては、プロセス技術の優劣ではなく、回路設計の優劣がいっそう重要になる」(McGregor氏氏)とした。

図2 28nmでコストが最小に
図2 28nmでコストが最小に
図3 設計コストが増大
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 この状況がAvago社とBroadcom社の合併に導いた。「回路設計の幅を広げるには、どれだけ幅広いIPコアを抱えているかが勝負になる」(McGregor氏)からだ。講演後の会場から「半導体業界で今後も大型買収が続くか」という問いに対しては、「Avago社とBroadcom社の統合は特殊なケースではなく、今後、半導体業界ではいっそう合併が進む」(同氏)という見方も示した。

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