自動車の熱対策に関する新しい技術や提案が続々と登場している。背景にあるのは、内燃機関車における燃費改善や環境規制への対応と、プラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)で求められている省電力化だ。

 「2035年における従来型パワートレーン(内燃機関車)の比率は84%。一方の新規パワートレーン(PHEVやEVなど)は2013年の9%から16%に拡大する」。アーサー・D・リトルによる予測だ。今後も内燃機関車が主流で、新規パワートレーンが急増するということだ。そしてここへきて、既存型と新規のパワートレーンの双方で熱対策の新提案が増えてきた。いずれの領域も新技術投入が検討されており、熱の問題が進化を阻む要因になるためだ。

 既存型パワートレーンでは特に、車載ECU(電子制御ユニット)への対応が急務となっている。富士キメラ総研によれば、パワートレーン系ECUの2013年の出荷台数は1億3136万個だった。これが、2025年には2億4410万個と約86%も増加するという。背景にあるのは燃費改善や環境規制への対応だ。エンジンをより高度に制御する必要があり、システムの電子化が加速する。その結果としてECUの搭載数が増加し、搭載場所も変わる。

 パワートレーン系ECUの搭載場所はエンジンルームが中心である。車室空間の確保や配線の短縮などを目的に、今後、ECUはエンジンへの直接搭載や、エンジンに電子部品を統合していく機電一体化など、より厳しい温度環境下に置かれる(図1)。このため、ECUを構成する各部材にも、幅広い温度範囲への対応が求められる。心臓部のマイコンだけでなく、基板やはんだといった周辺部品も改良が進み始めた。

図1 車載ECUの耐久性に関する動向
使用する温度範囲(ΔT)が拡大し、車載ECU向けの部材も対応を迫られている。
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 例を挙げると、タムラ製作所は-40~+125℃の温度範囲(ΔT=165℃)に対応したソルダーレジストを開発した。ソルダーレジストは、基板の表面に塗布して、はんだ付け時は余計な部分へのはんだの付着を防止し、その後は基板に残って絶縁材料として機能するもの。同社は現在、-35~+110℃の温度範囲(ΔT=145℃)のソルダーレジストを供給中だが、2017年から新開発品に置き換わっていくようだ。

 同社で研究開発を主導する清田達也氏(上席執行役員電子化学事業本部副本部長電子化学事業本部開発本部本部長)によれば、「機電一体化への対応として、2020年に-40~+150℃の温度範囲(ΔT=190℃)のソルダーレジストを投入する計画」という。

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