発表会で披露した電磁鋼板を利用したモーターとNANOMETを利用したモーター
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 新しい軟磁性材料「NANOMET」をステーターに適用した高効率な白物家電用モーターを、パナソニックが2018年度にも実用化する。ステーター径が70mmほどのやや小さなモーターを試作したところ、一般的な電磁鋼板を適用した場合に比べて、鉄損を約70%削減できた(図1)。

図1 鉄損を約70%削減
パナソニックは、東北大学が開発した新しい磁性材料「NANOMET」をステーターに利用して高効率なモーターを試作した(a)。一般的な電磁鋼板を用いる場合に比べて、鉄損を約70%低減できた(b)。これにより、モーター効率は6ポイント向上した。この結果から、直径125mmで定格出力40Wの家電用モーターにNANOMETに適用した場合の鉄損や効率を試算したところ、同様な損失低減効果を見込めることが分かった。(写真:パナソニック)
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 ステーター径が125mmで出力定格40Wの白物家電用モーターにNANOMETに適用した場合の鉄損や効率を試算したところ、ほぼ同様の損失低減効果を見込めることが分かった。

高い透磁率と飽和磁束密度

 NANOMETは、東北大学 金属材料研究所 教授の牧野彰宏氏らの研究グループが開発したもの。NANOMETが鉄損の削減に向くのは、高い透磁率と飽和磁束密度を両立できるからである。NANOMETは、1.8~1.9Tという電磁鋼板(珪素鋼)並みの飽和磁束密度で、電磁鋼板よりも1桁以上高い透磁率を実現できる(図2)。

図2 ナノ結晶化によって、高い飽和磁束密度と透磁率を両立可能
NANOMETは、Feの濃度が高いFeSiBPCu系合金を溶かしたものを「急冷法」で作ったアモルファス状態にした後、400℃程度に加熱して作る。同合金に含まれるPとCuの作用によって、アモルファス状態のときに粒径が数nmのFeの“芽”が出現。加熱処理によってこの芽がナノ結晶になる(a)。この結果、高い飽和磁束密度と透磁率を両立できる(b)。現在、幅120mmのNANOMETを製造できる(c)。(図:(a)と(b)は東北大学の資料を基に本誌が作成)
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