トヨタはFCV関連特許の無償開放を宣言
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 エレクトロニクス業界は今、フェーズチェンジのただ中にある。革新役は、星の数ほど登場しているハードウエア開発を手掛けるベンチャー企業だ。中心となる技術分野は「IoT(Internet of Things)」。センサーで計測した人の動きやモノ・環境の状態を、クラウド上で処理してリアルな世界にフィードバックする技術だ。センサーの価格低下やスマートフォンの普及、EMS(電子機器の受託生産)企業の台頭がもたらした新しい応用分野の広がりに業界が沸いている。米国ラスベガスで2015年1月6~9日に開催された「2015 International CES」は、それを象徴する展示会となった。

あふれかえるアイデア

 ネットワーク家電を開発する日本のベンチャー企業Cerevo。同社CEO(最高経営責任者)の岩佐琢磨氏は、今回のCESで一夜にして一躍「時の人」となった。事前イベントで自らデモを披露した新開発のスノーボード向けビンディングに多くの人だかりができた(図1)。内蔵する各種センサーを用いて計測したスノーボードの滑走状態をスマートフォンに送り、可視化する機能を実現した。デモの様子は米国の大手テレビネットワークで放映され、CES初日に参加者に配られた公式デイリー紙の表紙を飾った。

図1 勢いづくハードウエアベンチャー
Cerevoは、スノーボードの滑走状態を可視化してスキル上達につなげるビンディングを開発した。CEOの岩佐氏が自らデモした(a)。フランスSlow Control社は哺乳瓶用のセンサー端末を開発。授乳の際に哺乳瓶の傾きを測って、上手に授乳できているかどうかを可視化できる(b)。フランスGiroptic社が開発した全天球カメラ「360cam」は、取り換え可能なアダプターを利用して電球ソケットに差し込んで使える(c)。
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 「既存の技術の組み合わせで作った。むしろ着想できたことが重要だった」と、岩佐氏は語る。着想からほんの数カ月でデモ用の試作機を完成させた。

 同様の着想力とスピード開発の実力を持つハードウエアベンチャーが、腕試しをすべく世界中からCESに集う。生まれて間もないスタートアップ企業が一同にそろう展示スペースの出展社数は、前年に比べ150社以上増えて357社に上った。

 スマートウオッチやリストバンド型のウエアラブル端末、スマートホームといったIoT分野の既存路線はさまざまな技術提案が会場にあふれ、もはや当たり前。その応用を探る動きは広がり、哺乳瓶に取り付けるセンサー端末まで登場した(図1)。このほか、手軽に走行できる「パーソナルモビリティ」など、「動くモノ」の出展も多かった(図2)。

図2 手軽な「パーソナルモビリティ」が続々
フランスRollkers社は、靴を履いたままで装着できる歩行補助装置を試作した。通常の約2倍の速度で歩行できるようになるという。米Intuitive Motion社はスケートボード型の電動の乗り物「ZBoard」の第2世代品を展示(b)。中国INMOTION Technologies社は、セグウェイのような乗り物を出展していた(c)。
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