3Dプリンターは人命を救う

専用ソフトウエア大手のベルギーMaterialise社CEOに聞く

2014/09/26 00:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 医療・ヘルスケア分野における3Dプリンターの活用が本格化してきた。身体に装着したり埋め込んだりして使う医療器具の製造や、臓器模型による術前シミュレーションなど、その応用は幅広い。この先、3Dプリンターは医療・ヘルスケア業界にどのような変革をもたらすのか。3Dプリンター向けソフトウエア大手で、バイオメディカル分野を柱の1つに掲げるベルギーMaterialise社でCEOを務めるWilfried Vancraen氏に聞いた。

(聞き手は大下 淳一=日経デジタルヘルス)

――医療やヘルスケアの分野で、3Dプリンターの活用が盛んな領域はどこか。

Materialise社のVancraen氏
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 3Dプリンターが医療・ヘルスケア分野で果たす役割は大きくなりつつある。1人の命を救うようなケースで使われることもあれば、多くの患者に少しずつのメリットを与えている側面もある。特に応用が盛んなのは、外科や(頭がい骨や耳など)頭部を対象とする領域だ。

 一例に、補聴器の製造がある。既にここでは3Dプリンターが広く活用されており、何百万人もがその恩恵を享受している。補聴器は使用者の耳にフィットしていないと、耳の骨を圧迫して痛みの原因となったり、音響品質を低下させてしまう。3Dプリンターを使えば、形状の微妙なフィッティングが可能になる。(デジタル補聴器大手の)スイスPhonak社などが、我々の3Dプリンター向けソフトウエアを活用している。

 シューズのインソール(中敷き)の製造でも3Dプリンターの活用が進んでいる(関連リリースの日本語版英語版)。骨の形状や関節など、足に何らかの課題を抱えている人は多く、その比率は30%に達するとの調査結果もある。3Dプリンターの利点は、静止している状態だけではなく、歩行や走行時の動きをデジタルデータとして取り込み、それをインソールの形状などに反映できることだ。これにより、各人の足の形状や動きの特徴にぴったり合ったインソールを実現できる。

シューズのインソールに応用
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