今回は、工程間の仕掛かり品を上手に管理するコツを、2011年4月号から取り上げてきた木製洋家具を開発・製造・販売する冨士ファニチアの事例で学ぶ。

 同社の椅子生産ラインは、大きく分けて4工程から構成されている。(1)「木取り」、(2)「加工」、(3)「研磨/塗装」、(4)木枠の組み立てやクッション/カバーの張りを行う「組み立て」、である。(4)の組立工程には、この流れとは別の前工程があった。椅子の表面を覆う生地の裁断と、縫製をするラインだ。

 山田日登志氏は組立工程の指導を一通り終えると、同工程のある棟を出て、生地の裁断と縫製のラインがある別の棟へと向かった。扉を開けると、縫製作業をするスタッフが16人。傍らに、縫製後の生地が大量に載った背丈ほどの台車が所狭しと並んでいた。

「うわーっ。これはあかん」

 山田氏の表情が険しくなる。このような置き方では、縫製工程では造り過ぎに気付かず、仕掛かり品が増える。どのような置き方に変えれば防げるか。

〔以下、日経ものづくり2011年6月号に掲載〕

山田日登志(やまだ・ひとし)
トヨタ生産方式を270社に導入した経験を持つコンサルタント。岐阜県生産性本部在籍中に大野耐一氏と出会い、1971年から師事。1978年にカイゼン・リーダーを育成するPEC産業教育センターを設立し、所長に就任。ソニーを指導中にセル生産の基礎を築いた。

出典:山田日登志のこれがムダなんや
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