小型ながら大きな発電量の振動発電機

 振動発電で電池を代替する──。物体の振動を利用する発電機の研究者が目指す,この夢に大きく近づく成果が出た。

 金沢大学 准教授の上野敏幸氏は,小型ながら大きな発電量が得られる振動発電機を開発した。外形寸法はわずか2mm×3mm×12mm程度だが,約400Hzの振動時に約2mWが得られる。

 これまで,小型の振動発電機の出力密度はせいぜい1mW/cm3程度だった。今回の開発品の出力密度は計算上20m~30mW/cm3で,従来を大きく上回る。ボタン型電池の出力密度は数~数十mW/cm3であり,同電池の「置き換えを十分に狙える」(上野氏)成果と言える。将来,自動車のタイヤ空気圧警報装置(TPMS)や携帯機器向けに実用化したいとする。

逆磁歪効果を利用して発電

 開発品の特徴は,発電素子として,大きな磁歪効果を有する鉄(Fe)とガリウム(Ga)の合金である磁歪材料「Galfenol(Fe81.4Ga18.6)」を用いたことにある。磁歪効果とは,磁化すると形状が変化する現象のこと。Galfenolの場合,300ppm程度(仮に長さ1kmの棒と考えると,30cm伸びる計算)の磁歪効果が生じる。

『日経エレクトロニクス』2011年1月10日号より一部掲載

1月10日号を1部買う

出典:NEレポート
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。