Si系合金負極で容量増加スピードが加速
Si系合金を採用したセルは,4.0Ahの容量がある。黒鉛を負極材料に用いた同社従来品(NCR18650A)に比べて30%近く高容量化できる。これまでは年率11%程度の容量増加スピードだったが,今回の増加は年率18%に相当する。正極材料にはNi系を用いた。

 パナソニックは,負極材料にSi系合金を採用したLiイオン2次電池を2012年度から量産する。ノート・パソコン向けで標準的な,いわゆる「18650」サイズ(直径18mm×高さ65mm)の電池セルで,容量は4.0Ahと高い。現行の同型セルの業界最高容量は3.1Ahであり,そこから30%近い大幅な容量増を実現したことになる。

 Si系合金は,現在主流の負極材料である黒鉛に比べて10倍以上の理論容量を持つ。このため,ほとんどの電池メーカーが高容量向けの次世代材料として開発を進めているが,量産予定の製品スペックまで明らかにしたのはパナソニックが初めてである。

500回のサイクル寿命を確保

 Si系合金負極の実用化に各社が苦戦しているのは,充放電時の体積変化が大きいためだ。充放電時のLiイオンの挿入脱離において,Si系合金材料では約400%もの体積変化が生じる。このため,電極の構造破壊を引き起こしやすく,充放電サイクル寿命が短くなるという課題があった。

『日経エレクトロニクス』2010年1月11日号より一部掲載

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出典:NEレポート
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