【ベーシック公差設計 第2回】工程能力を見積もる

 前回は,アセンブリを構成する個々の部品の公差を算出する二つの方法─「互換性の方法」および「不完全互換性の方法」について解説した。互換性の方法では,各部品が公差範囲いっぱいの最悪のケースで組み合わさっても,アセンブリ段階で要求される公差内に収まるようにする。つまり,不良品は発生しないという考え方である。
 一方,不完全互換性の方法では,統計的手法を用いることで各部品の公差を算出する。不完全互換性の方法を使って計算すると,互換性の方法と比較して各部品の公差を緩める(大きくする)ことができる代わりに,アセンブリとしてはある確率で不良品が発生するということになる。(以下,「日経ものづくり」2008年2月号に掲載)

図●パイプと丸棒のはめ合い問題
図●パイプと丸棒のはめ合い問題
パイプに丸棒を差し込んだ場合にはまらなくなる確率を求める。パイプの穴の内径Aおよび丸棒の直径Bはともに10mm。寸法公差は,穴の内径では上限が+0.12mmで下限が0mm,丸棒の直径では上限が0mmで下限が-0.12mmとする。組み合わせた場合のすき間fを考える。

出典:ベーシック公差設計
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