「ファイナンスを工夫することで、地方の企業でもここまで大きなプロジェクトを主導できた」。田名部組(青森県八戸市)の田名部智之社長は、同社が立ち上げた総出力16.85MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業「アマテラス プロジェクト」の意義を強調する。

 田名部組は、1924年に創業した建設会社の老舗。創業者が大工に弟子入りして、モノ作りに取り組み始めてから90年、住宅建築から店舗・ビル建設、土木工事、オール電化、太陽光設備の設置など、徐々に業容を拡大してきた。八戸市を基盤に、売上高40億円(2014年6月期)、従業員132人という地域を支える総合建設会社に成長した。

 アマテラス プロジェクトは、田名部組が主体となってSPC(特定目的会社)、合同会社アマテラス(八戸市)を設立し、発電事業の主体とした。八戸市、南部町、久慈市の3市町に9サイトのメガソーラーを同時に建設し、運営する計画だ(図1)。9サイトの合計出力は16.85MWとなり、総事業費は64億9100万円に達する。2015年1月に着工し、16年3月に完成する予定だ。

図1●「アマテラス プロジェクト」の9サイトの概要(出所:田名部組)
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 通常、売り上げ数十億円規模の企業が、10MWを超えるメガソーラーを事業化するのは、資金調達の面から容易ではない。ここ数年、ABL(動産担保融資)の手法を活用し、不動産担保なしで事業資金を金融機関から借り入れ、2MW程度のメガソーラーを建設する例が増えている。ただ、コーポレートファイナンスの延長であるため、「2MWのサイトを1~2カ所作るのが適性の規模」(大手地方銀行のABL担当者)とされている。