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国立大阪医療センター、救急治療を数秒間隔で記録できるER経過記録システムを開発(page 4)

2015/03/16 00:00
増田 克善=日経デジタルヘルス協力ライター

救急治療のフローチャートを組み込み、病棟での運用も視野に

 こうしたデータのシステム間連携は、メーカー製電子カルテシステムの入力インターフェース層にFileMakerを基盤とした診療科別カード型カルテシステムが構築されている大阪医療センターだからこそ可能になったもの。「HOPE/EGMAIN-GX側に簡単な改造が必要なため、どこの医療機関でも実現できる仕組みではありません。しかし、ER経過記録システムは救急医療の現場での運用に耐え得るツールであり、多くの救命救急センターで参考になるのではないでしょうか」(岡垣氏)と述べる。

 ER経過記録システムは、CPAでの運用で約1年、その他の三次救急での運用で半年以上経過したが、救急現場の業務に適したツールとして、経過記録の標準化と密度の高い記録に寄与している。また、医事部門や薬剤部門のシステムとも連携し、それぞれの業務効率化に貢献している。上尾氏は、このツールの基本的な仕様が、短時間に刻々と変化する状況を記録するのに極めて有用なことから、一般病棟でも有用な経過記録ツールを作成することを考えている。

 例えば、病棟の入院患者が急変した際に患者の状態や治療内容の経過を記録するツールとして運用したい考えだ。蘇生救命処置が必要と判断されれば、ただちに現場に居合わせるスタッフで蘇生治療を開始し、救命救急センターやCCUの蘇生チームが応援に駆け付けるというシステムを構築しているが、その際、「経過記録ツールに異常の発見から蘇生治療までのアルゴリズムを必要な連絡や物品なども含めて実装し、その手順に沿ってチェックしながら同時に記録していけるような仕組みがあれば、急変対応にあまり慣れていないスタッフしかいなくても、蘇生チームが到着するまでの間に適切なチーム医療を実施する手助けとなり、同時に重要な記録が抜けることのない有用性の高いツールになると考えています」と上尾氏。

 救命救急センターの処療室ではワゴンに載せたノートPCで使用しているが、「病棟での運用シーンを想定すると、タブレット端末用のユーザーインターフェースを設計する必要があるでしょう」(上尾氏)と、それぞれの運用環境に合わせて現場のニーズを即座に反映できるFileMakerの利点をあらためて強調。その可能性の広がりに期待を込めていた。

■病院概要
名称:国立病院機構 大阪医療センター
所在地:大阪市中央区法円坂2-1-14
開設:1945年12月
病床数:694床
Webサイト:http://www.onh.go.jp/mokuji/mokuji.html
導入システム:ファイルメーカー「FileMaker Server」「FileMaker Pro 」

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