外科医とロボットは共存できるか(page 2)

2015/02/18 00:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

胃がんは先進医療の登録始まる

 (1)胃がん手術への適用については、藤田保健衛生大学 上部消化管外科 教授の宇山一朗氏が講演した。同氏は胃がん手術にダビンチを導入する意義について、「術後化学療法のコンプライアンス向上」を挙げた。胃がんでは、進行度によっては術後に補助化学療法が必要になる。ダビンチによって手術の侵襲度を下げ、合併症の発生率を下げることによって、化学療法における薬剤選択や実施コース数などが制限されないようにする。これにより、侵襲度の高い開腹手術や腹腔鏡下手術を行った場合よりも根治性を高めるというシナリオである。

 2014年9月には先進医療の承認が下りた。申請の根拠となったのが、宇山氏が主導した藤田保健衛生大学病院における2009年1月~2012年12月のコホート研究である。胃がんの根治的切除術を行った526例のうち、ダビンチ使用群と従来法群について、手術時間や出血量、リンパ節郭清範囲、術後合併症などを比較。ロボット支援手術の「ラーニングカーブ(習熟曲線)以外の有用性を示した世界初の成果」(宇山氏)となった。

 今後は保険収載を目指し、ロボット支援手術の安全性や有効性、経済性に関する多施設共同での臨床試験を進める。対象は臨床病期I期とII期の胃がんで、予定登録数は330例。主要評価項目はグレード3以上の合併症発生率で、ダビンチの導入によってこれを低減できるという仮説を検証する。現在までに14例の登録が完了した。

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