本記事は、日経WinPC2011年12月号に掲載した連載「PC技術興亡史」を再掲したものです。社名や肩書などは掲載時のものです。

 今回はメインの機能とは少々異なる、グラフィックスボードの付加価値について紹介したい。

外部ボードを接続して
テレビ番組を画面に表示

 最初に出てきたのが1990年代に使われた「フィーチャーコネクター」である。業界団体であるVESA(Video Electronics Standards Association)による標準化以降、グラフィックス表示機能では差を付けにくい。性能の違いを打ち出したくても、同じグラフィックスチップを使った製品同士では基本的に差は無い。

 そこで、グラフィックス以外の機能を追加しようという発想が出てきた。そのために作られたのがフィーチャーコネクターである。例えばテレビチューナーボードと組み合わせて、PCでテレビ番組を見られるようにする。フィーチャーコネクターを通じて、グラフィックスボードのグラフィックスメモリーに直接データを送り込む(図1)。

図1 例えばテレビチューナーボードと接続し、チューナーから受け取った画像をディスプレイに表示したり、動画ファイルのデコード支援用ハードウエアなどと接続できるようにした。こうした拡張機能で差別化しようとしたメーカーもあったが、すぐに追いつかれて効果が薄れてしまった。

 フィーチャーコネクターは当初規格化されておらず、またテレビチューナーボードとの相性などもあった。それこそ差別化要因でもあるが、ユーザーにとっては不便な話だ。そこでVESAが「VESA Advanced Feature Connector」という名称で標準化した。テレビチューナー以外にビデオキャプチャーボードやMPEGデコーダーなども登場した。

 これが廃れた最大の理由は標準インターフェースの帯域拡大である。ISAバスでテレビ画像を送るには帯域が不足し、VL-バスやPCIでもギリギリだったので、フィーチャーコネクターは有効な手段だった。ところがAGP(Accelerated Graphics Port)以降は帯域が急増したため、フィーチャーコネクターを使わなくても十分データを転送できた。

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