約20kWのパネルの下で年間1tのブルーベリーを収穫

 1基には15枚の太陽光パネルを設置し、2軸の稼働システムで太陽を追尾する。15枚のパネルは日光が漏れるように隙間を空けて並べている(図5、図6)。日時で太陽の経路を自動計算するので、曇りで直射光が少なくても太陽を追尾できる。太陽光パネルを固定した場合に比べ、発電量は1.4~1.5倍に増えるという。発電した電力は、売電せずに全量を農園の施設で自家消費している。稼働後、2年以上経つが、センサー関連の部品を1カ所交換した程度で、ほとんど故障せずに運用しているという。

図5●1つの架台に15枚のパネルを設置した(出所:日経BP)
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図6●パネルの隙間から太陽光が漏れるようにしている(出所:日経BP)
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 ブルーベリーの木は、追尾システムの下の地面に直接、植えるのではなく、鉢に入れた発泡樹脂製の培地に根付かせ、パイプを引いて養液栽培している(図7)。栽培を始めて2年目の2013年夏から本格的に収穫し、ひと夏で約1tを出荷した。ブルーベリーの木には、追尾システムや太陽光パネルの影がかかるが、「文献などで調べた結果、多少の影では収穫に大きな影響がないことがわかっていた」と、とまとランドいわきの元木寛専務は言う。

図7●ブルーベリーは鉢に入れた樹脂製培地に根付かせ、養液栽培している(出所:日経BP)
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 営農型の太陽光発電システムには、大きく2つのタイプがある。藤棚のように農地の上に支柱を立て、細い長い太陽光パネルを一定の間隔で固定する方式。そして、フジプレアムなどが製品化した追尾式架台システムだ。いずれのタイプでも、1本の支柱(ポール)が、複数枚のパネルを支え、地面から十分な高さがあるため、作物を栽培できるスペースを確保できる。加えて、追尾式架台の場合、「パネルを固定する藤棚式に比べて、影の位置が早く移動するので、日陰になることによる影響が相対的に小さくなる」(元木専務)